7月/5年生
5年生の今がチャンス!エピソードで作る最強の記憶
1. 体験化こそ最強の記憶につながる
記憶への定着という観点では最強の勉強法であるにも関わらず、6年生の夏休みとなると、どうしても時間的に実践するのが難しい勉強法があります。
その勉強法とは…
”意図的にエピソード記憶を作る“
というものです
いつも我々がやっている暗記系の勉強は “意味記憶“ と呼ばれています。そして心理学では “忘れやすい記憶” とされています。もちろん“忘れにくい記憶“というのもあります。
それが体験を伴う記憶 ”エピソード記憶” です。比較的時間的に余裕のある5年生の夏休みに、この”エピソード記憶”で知識を増やすことを試してはいかがでしょうか。
1-1. 忘れやすい記憶と忘れにくい記憶
忘れにくい記憶として具体的な例を示しましょう。
<エピソード記憶の例>
日本国内には25件の世界遺産が登録されています。ほとんどの知識は持っていませんが、家族旅行で訪れたことがある五箇山の合掌集落だけは…なぜか超得意。
我が家の実例です。家族で五箇山の合掌集落に宿泊し、その屋根の形の根拠や地図上の場所、周辺の名産品など全部覚えている。こんな経験ありませんか?
これはカナダの心理学者 タルヴィングが唱えた記憶理論というものです。この記憶理論を正しく意識すれば、効率的な勉強法に活かすことができます。
1-2. 記憶理論を勉強に活かすヒント
有名な実験をひとつご紹介します。
学生の2つのグループAとBがあります。両方のグループにランダムな単語が書かれたカードを大量に渡します。
グループAには単語をできるだけ記憶せよと指示
グループBには単語を好きなように分類するよう指示
さて、後日行われる記憶定着度のテストでは、どちらの成績が良かったでしょうか?ご察しのとおり…グループBの方が記憶の定着が良くなるという結果でした。
カードを試行錯誤して分類しようとした体験が記憶につながった結果です。暗記しようとすら思っておらず、ただ分類作業をしていた方が記憶に残るという結果は驚きです。 つまり、記憶しようという意志よりも、考えたり行動したりといった体験が重要ということです。記憶に残すという点では強力なヒントになりますね。
1-3. 5年生の夏休みは体験化のラストチャンス
前述したとおり、書物で知識を勉強するよりも体験を通して何かを習得した方が効率性で優位そうです。
つまり体験化が重要ということ
この記事の後半で実際にやってよかった体験化の実例を5つほどご紹介しますが、この営みは5年生に取り組むのが最適であるということをお伝えします。
理由はシンプルです。
4年生よりも5年生の方が子どもの前提知識が豊富で受験への意識も高いことが多いです。また6年生は受験学年…ただでさえ時間が足りません。
5年生のお子様を持つご家庭は、このあとご紹介する体験化をぜひ試してみてはいかがでしょうか?