声教保護者会2026-2027①「保護者が今考えること」~前編~
出典:声教チャンネル(声の教育社)
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▼声教保護者会とは
声の教育社の石井です。吉村でございます。
この動画は「声教保護者会」ということで、皆さんがお通いの塾でも保護者会があると思いますが、私たち2人も、実は長年にわたって中学受験塾の教室長を務めてきました。
そこで、当時の経験や私たち自身の考えをお伝えしながら・・・
これから受験を走り抜ける受験生と保護者の皆さんに、少しでもより良い受験をしていただけるよう、情報を発信していきたいと考えています。
▼11月からの心構え
11月からの受験期間は、非常に濃密な時期になります。
・成績が大きく上下することもある
・受験校に対するご家庭や保護者の考え方、塾との付き合い方なども非常に重要
いよいよ、これから志望校を決めていく時期です。
「チャレンジ校はここを軸にしよう」「第1志望校はここにしよう」といったことは、おそらく多くのご家庭ですでに決めていらっしゃると思います。
ただ、現時点では、まだ「志望校」なんですよね。実際に受験する「受験校」としては、まだ最終決定していないわけです。
ここで、成績についても少しお話ししたいと思います。
中学受験では、どうしても成績に一喜一憂してしまうものです。
成績を見るたびに・・・
「もう受験をやめようかな」
「この学校を受けるのはやめようかな」
と、何度も考えたことがある方も多いのではないでしょうか。ただ、そうしたことも含めて、「どうするかを決める時」と「じっくり考える時」は、やはり分けて考える必要があると思うのです。
だからこそ、中学受験では、何かの情報を見たり聞いたりして、その場ですぐに決断してしまうのは危険なのです。
▼各県の試験日程について
①千葉・埼玉
千葉や埼玉では、1月に中学入試が行われますが、実は千葉の場合、12月に「第1志望入試」という試験を実施している学校もあるのです。そこから入試が始まるので、千葉の受験生にとっては、そういう意味で入試期間が非常に長くなるわけです。
12月に試験があり、さらに1月には一般入試が行われます。
そして、中学入試には「繰り上げ合格」という仕組みがあります。
東京の受験生は、2月1日の入試解禁日から、2月の第1週に集中して試験を受けます。その結果、複数の学校に合格したとしても、最終的に入学手続きをするのは1校だけです。
そうなると、それ以外の合格校については、入学を辞退することになります。実は、その辞退する学校の中に、千葉の学校も含まれているのです。そのため、千葉の学校では、2月に入ってからも入学辞退者がかなり出てくるのです。
つまり、千葉の入試期間自体はすでに終わっているにもかかわらず、その後も繰り上げ合格が出るということなのです。
これは埼玉も同じです。
埼玉では1月10日から入試が始まりますが、学校によっては2月まで入試日程が組まれています。そのため、埼玉でも2月に入ってから繰り上げ合格が出ることがあります。
②東京・神奈川
東京も同様です。
2月1日からの私立中学校の入試期間がひと段落したと思ったら、今度は東京都立中高一貫校の試験がありますよね。
神奈川でも、横浜市立中高一貫校などの合格発表が2月10日にありますから、その結果を受けて、再び繰り上げ合格による動きが出てくるわけです。そう考えると、「併願のスケジュールをどのように組んでいくか」ということが、非常に重要になってきます。
▼併願パターンについて
では、一般的に中学受験では、どのように受験校を組み合わせていくのでしょうか。
まず、軸となるのが第1志望校です。
そして、受験校を考える際には、現在の偏差値や成績を基準にしていきます。ただし、1回の模試の結果だけで判断するのではなく、これまでの成績の平均値をもとに考えることが大切です。
そのうえで、受験校を大きく3つに分けます。
「チャレンジ校」:持ち偏差値よりも高い学力の学校
「実力相応校」:現在の自分の偏差値や学力に合った学校
「安全校(押さえ校)」:たとえ試験当日に風邪をひいてしまったり、体調が万全ではなかったりしても、合格できると見込める学校
安全校とはつまり、コンディションがあまり良くない状態で受験したとしても、十分に合格を取れると考えられる学校ですね。こうした学校を組み合わせながら、併願のスケジュールを考えていくわけです。
▼併願校数について
最近、塾の先生方とお話ししていると、「受験生1人当たりの受験校数が増えている」という話をよく耳にします。
そこで、ある大手塾でエリア統括をされている先生に、こんな質問をしてみました。
「それは、本当に受験する学校の数自体が増えているということなのですか?」
つまり、これまでA校、B校、C校、D校の4校を受験していた子が、今ではA校からG校までの7校を受験するようになった、ということなのかを聞いてみたわけです。
実は、私はそうではないんじゃないかと思っていたのです。
例えば、受験する学校自体はA校、B校、C校の3校だけれども、A校を3回、B校を2回受験するというように、「1校当たりの受験回数が増えているのではないか」と。
そう質問したところ、やはりその通りだとおっしゃっていました。
複数の学校を受験するとなると、受験校のカラーがあまりにもばらばらになってしまうのは、少し大変ですよね。学校ごとに対策を練らなければならないので、受験する学校の種類が増えすぎると、それだけ負担も大きくなってしまいます。
偏差値を基準に志望校を選んでいくと、同じ偏差値帯にいくつもの学校が並んでいます。
ただ、偏差値が同じくらいだからといって、出題傾向まで同じとは限りません。それぞれの学校で問題の出し方や特徴が違ってくるのです。
そうなると、学校ごとに対策が必要になり、どうしても勉強の負担が大きくなってしまいます。
ですから、そういう意味でも併願校を考える際は、
「志望校をあまり広げすぎず、ある程度まとまりを持たせることが大切」だと思います。
そのメリットは・・・
■似たような出題傾向の学校を組み合わせたり、同じ学校を複数回受験したりすることで、過去問対策をある程度共通化できる。
1つの学校の過去問対策で複数回の受験に対応できるのであれば、対策もコンパクトになります。
■受験する学校の数が少なければ、実際に試験を受けに行く際の負担も軽減できる。
午前入試や午後入試を組み合わせる場合も、日程や移動の面でまとまりをつけやすくなります。
■最後の追い込みの時期にもメリットがある。
出題傾向があまりばらけないということは、「この単元は特に注意しておこう」「ここは重点的に復習しておこう」というように、学習のポイントを絞りやすくなるのです。実際、入試が始まってからも、対策に生かせることがあります。
例えば、学校によっては「A日程の理科で出題した単元は、B日程では出題しない」というように、試験日程ごとに出題する単元を分けているところもあり、そうした学校であれば、複数回受験することで、次の試験に向けた対策を練りやすくなるという面もあります。
つまり、「当たりをつける」という言い方が適切かどうかは別として、出題傾向を踏まえて準備できるということです。
皆さんがお使いの声の教育社の過去問には、「出題傾向と対策」というページがあります。
この表を見ると、例えば、ある学校の理科では、1次試験で出題された単元とは異なる単元が2次試験で出題されていた、といった傾向を確認することができます。
こうした情報があれば、入試期間中であっても、次の試験に向けた対策を考えやすくなります。
ただし、注意していただきたいこともあります。
そのような学校でも、算数では過去数年間にわたって出題されていなかった単元が、突然出題されたというケースもあります。ですから、出題範囲を予想して、勉強する単元を絞りすぎるのは危険です。
基本的には、どの単元もまんべんなく勉強しておくことをおすすめします。
さらに、同じ学校を複数回受験することには、ほかにもメリットがあります。
例えば、繰り上げ合格の際に優遇される学校もありますし、複数回受験することで加点してくれる学校もありますよね。もちろん、同じ学校を何度も受験して、そのたびに不合格が続いてしまうというのは、精神的にも非常につらいことです。ただ、学校の先生方にお話を伺うと、興味深いことをよくおっしゃいます。
「複数回受験した生徒は、初回の答案よりも2回目の答案の方が良くなっている」というお話です。
これは、よく耳にしますよね。つまり、入試期間中にも子どもたちの学力が伸びているということなのです。
そう考えると、同じ学校を続けて受験することには、大きな意味があると思います。
複数回受験するうちに、その学校の問題の出し方や試験の雰囲気に、少しずつ慣れてくるのかもしれません。最初の試験では緊張していた子も、2回目、3回目になると、余計な緊張をせずに実力を発揮できるようになる、ということも考えられますよね。
また、最近では、受験料の面でも複数回受験をしやすい学校が増えています。
例えば、「1回分の受験料で2回受験できます」「同じ受験料で3回まで受験できます」といった、家計にも優しい制度を設けている学校があります。
ただし、ここで気をつけていただきたいことがあります。
それは・・・
同じ学校の複数回入試だけで、受験日程のほとんどを埋めてしまわないことです。
複数回受験できるからといって、その学校ばかりを受けるスケジュールにしてしまうと、いざというときに、押さえとなる学校を受験する余地がなくなってしまいます。
特に、同じ学校で不合格が続いてしまった場合には注意が必要です。
・「複数回受験すれば加点があるかもしれない」
・「繰り上げ合格で優遇されるかもしれない」
と考えると、ここまで受けてきたのだから、後半の日程もそのまま受験したくなるものです。
その気持ちはよくわかります。ただ、そうした場合でも、受験日程の途中、できれば早い段階で、どこか押さえとなる学校の合格を確保しておくことをおすすめします。
やはり、早い段階で1つ合格を取っておくことは、とても大切なのです。
最初のお話に戻りますが・・・
併願校を考える際には、「チャレンジ校」「実力相応校」「安全校」のバランス
を考えながら、受験スケジュールを組んでいくことが基本になります。そして、その大きな目的の1つは、「できるだけ早い段階で合格を手にすること」です。
では、具体的にどのような組み合わせで受験日程を考えていけばよいのでしょうか。
後編に続きます。