【中学受験】2026年度入試「中学過去問出庫数上位校」過去問が売れてる学校はどこ？※2025年11月時点

▼出庫数上位30校一覧

今回は過去問題集の実際の出庫数上位校＝数の多い学校上位30校を見ていきます。出庫数上位校＝数の多い学校を見ていきます。

【出庫数上位校トップ30位】※（カッコ）内は昨年度順位

　　　1位　開智・開智所沢　　　　（2位）
　　　2位　栄東　　　　　　　　　（1位）
　　　3位　本郷　　　　　　　　　（4位）
　　　4位　市川　　　　　　　　　（3位）
　　　5位　広尾学園　　　　　　　（5位）
　　　6位　渋谷教育学園幕張　　　（6位）
　　　7位　東邦大学付属東邦　　　（7位）
　　　8位　海城　　　　　　　　　（8位）
　　　9位　早稲田　　　　　　　　（10位）
　　 10位　山脇学園　　　　　　　（15位）
　　 11位　渋谷教育学園渋谷　　　（11位）
　　 12位　茨城県立　　　　　　　（13位）
　　 13位　開成　　　　　　　　　（9位）
　　 14位　芝　　　　　　　　　　（16位）
　　 15位　三田国際科学学園　　　（18位）
　　 16位　成城　　　　　　　　　（14位）
　　 17位　浅野　　　　　　　　　（12位）
　　 18位　女子学院　　　　　　　（35位）
　　 19位　慶應義塾中等部　　　　（17位）
　　 20位　東京農業大学第一　　　（28位）
　　 21位　鷗友学園女子　　　　　（24位）
　　 22位　神奈川県立相模原・平塚（22位)
　　 23位　高輪　　　　　　　　　（23位）
　　 24位　明治大学附属世田谷　　（53位）
　　 25位　日本工業大学駒場　　　（40位）
　　 26位　昭和学院秀英　　　　　（33位）
　　 27位　豊島岡女子学園　　　　（20位）
　　 28位　青稜　　　　　　　　　（29位）
　　 29位　明治大学附属中野　　　（27位）
　　 30位　麻布　　　　　　　　　（25位）

▼出庫数11位～30位

□18位　女子学院
女子学院が上位30位に新たにランクインしました。これはやはり「サンデーショック」の影響が大きいですね。
2月1日が日曜日となり、試験日が2月2日に移動したことで、受験者数が増加しました。
とはいえ、ここまで過去問の出庫数が伸びるとは、正直驚きでした。

□24位　明治大学附属世田谷
明治大学附属世田谷は、2026年度入試から女子の受験が可能になります。そのため注目度が一気に高まり、過去問の出庫数も自然と増えています。

□25位　日本工業大学駒場
こちらの学校の伸びは本当に目を見張るものがあります。
・昨年は40位
・今年は25位
受験を考えるのであれば、2月1日の初回入試からの受験が必須と言えるでしょう。しかも・・・
「2月1日の入試では定員が100名に増える」
予定です。

□26位　昭和学院秀英
昭和学院秀英も、なかなか大きな動きを見せています。
・昨年は33位
・今年は26位
と順位を上げました。
これまで市川や渋谷教育学園幕張、東邦大学附属東邦を受験していた層が、昭和学院秀英へ流れてきている動きがあるように感じられます。

□27位　豊島岡女子学園
□21位　鷗友学園女子
今回のランキングを見ていて少し気になった点があります。
上位11～30位の中に、まだ山脇学園が登場していない一方で、 女子校の出庫数上位校において、豊島岡女子学園よりも鴎友学園女子のほうが上位にランクインしている点です。
これは、いわば順位の逆転と言えますね。豊島岡女子学園は御三家との併願校として受験されるケースが多い学校です。そのような状況の中で鷗友学園女子の出庫数が伸びているということは・・・
‟鷗友学園女子を第一志望とする受験生が増えている“ ことを示しているように感じられます。

□20位　東京農業大学第一
こちらもやはり安定した人気がありますね。
・昨年は28位
・今年は20位
まで順位を上げています。

・・・11位～30位全体を見てみると、
昨年と比べて出庫数が大きく増加した学校はこのあたりまでで、それ以外の学校は比較的横ばいで推移している印象です。

▼出庫数4位～10位

□10位　山脇学園
ついにトップ10入りを果たしましたね。これは本当に大きな動きだと思います。
・山脇学園は女子校の中で出庫率がトップであるだけでなく
・全体の出庫数でもトップ10入りという結果
になりました。昨年は15位でしたから、そこから一気に10位まで順位を上げています。 昨年のランキングでは、上位10位以内に女子校は入っておらず、女子校の最高位は15位の山脇学園でした。そこから5ランクアップし、ついに女子校がトップ10入りです。

かつては豊島岡女子学園でも10位以内に入りそうで、実際の最高位は11位止まりでしたから、今回の山脇学園の動きは非常に象徴的ですね。

ここまで出庫数が伸びている背景には・・・
・第一志望者が増えていること
・他校の併願校として選ばれている可能性も高い
と考えられます。そうでなければ、この順位まで上がるのはなかなか難しいですよね。となると、御三家、あるいは新御三家と呼ばれる学校の併願校として山脇学園が選ばれている可能性もありそうです。最近は「新御三家」という呼び方もあまり聞かれなくなりましたが、そこに山脇学園を加えて「四天王」「四強」といった呼び方が出てきても不思議ではないかもしれませんね。

そういえば、かつて男子校でも
駒場東邦を御三家に加えて「四天王」
と呼ぼうとした時期もありましたが、こちらはあまり定着しませんでした。とはいえ、そろそろ最上位校を表す新しい呼び方が出てきてもよい頃かもしれません。「御三家」という言い方自体も、少し変化の時期に来ているのかもしれませんね。

□9位　早稲田
□8位　海城
こちらは人気の男子校が並びました。このあたりは昨年と比べても、順位に大きな変動はありませんね。

□7位　東邦大学附属東邦
□6位　渋谷教育学園幕張
千葉の代表的な人気校も含めて、上位校の顔ぶれは大きく変わっていない印象です。実際、トップ10圏内で目立った変化があったのは山脇学園のみで、それ以外は全体的に安定したランキングとなっています。

▼出庫数1位～3位

□3位　本郷
男子校の中で出庫数トップという結果からも分かるように、本郷の人気は本当に際立っていますね。
「入試難度が上がってきているにもかかわらず、まったく敬遠されていない」
点が印象的です。先日、ある女子校の先生とお話しした際に、
「人気校になり、偏差値も倍率もかなり上がって、今年は受験者数が減るかもしれません」 という説明を校長先生にしたところ、
「偏差値や倍率が上がっても、敬遠されない学校でなければいけない」
と言われた、というお話をうかがいました。その話を聞いて、確かにその通りだなと感じましたし、
まさにそれを実現している学校が本郷なのだと思います。

本郷は・・・
・駅から近いという利便性
・都心にありながら校庭が広い
という大きな魅力があります。そのため・・・
・部活動をしっかりやりたい生徒のニーズに応える
・進学校としての実績もきちんと出している
点が、人気の理由なのでしょう。「勉強か部活か、どちらかに振り切る」のではなく、これまでの“本郷らしさ”を評価する層を取り込みながら、進学校としてのイメージも広げている。その結果、両方を求める受験生を引きつけているのかもしれませんね。とはいえ、ここまで偏差値が上がってくると、 「部活がやりたいから」という理由だけでは厳しいのでは、と感じる方もいるかもしれません。
ただ実際には、本郷にお子さんを通わせている保護者の方から「部活をやりたいと言ったので本郷に進学しました」という声を今でもよく耳にします。併願校として本郷を志望する受験生も多く、もともと御三家と併願しているケースもありますし、特に3回目の入試の人気は非常に高いですね。
倍率は高いものの、それだけ多くの受験生が集まっている点を見ると、試験日程の設定も大きな要因だと思います。

さらに、東大への進学実績にも定評がありますし、社会問題研究部の活躍なども含めて、学校全体の評価が高まっていることを感じます。

□2位　栄東
これまでずっと1位を維持してきた学校ですね。順位としては2位になりましたが、実は栄東には大きな特徴があります。栄東は、声の教育社から同一校で2種類の過去問が出ている唯一の学校です。
そのため、この2種類を合算すると、実質的にはダントツの1位と言えるでしょう。これは納得の結果ですね。

また、受験者数そのものについては、2025年度入試でも引き続き1位をキープしています。応募者数という点では、次にご紹介する開智・開智所沢が1位となりましたが、栄東の安定した人気は依然として際立っています。

□1位　開智・開智所沢
ついに初めての1位となりました。開智と開智所沢の2校合算という点はありますが、それでも非常に大きな結果ですね。

さらに、校長先生から・・・
「2026年度入試では合格者を多く出します」
というお話も出ており、その点も出庫数増加の追い風になっている可能性は十分にありそうです。今後の入試動向を考える上でも、開智・開智所沢の動きは引き続き注目していきたいところですね。

▼まとめ・次回に向けて

出庫数については、11月時点のデータはこれで一通りご説明できたと思います。
次回は、12月中旬の最終まとめを行う予定です。

入試は待ってくれませんので、情報はできるだけ早くお伝えしていきたいですね。すでに埼玉入試の出願も始まっていますが、出願状況を見ると・・・
・浦和実業
・武南
・埼玉栄
などが、前年比・同日比で見ても大きく伸びています。このあたりを見ると、埼玉入試でも中堅校の人気がかなりはっきりしてきた印象があります。

一方で、栄東はすでに「難関校」というイメージが定着してきましたね。開智・開智所沢も志願者は増えていますが、それ以上に・・・
「中堅校を選びたい」
という動きが目立ってきているように感じます。これを「安全志向」と呼ぶかどうかは難しいところですが、少なくとも・・・
「確実に合格が見込めそうな学校」
への受験へとシフトしている流れは確かにあります。ただ、単に安全というだけではなく、
・面倒見が良い
・ここなら安心して任せられる
といった学校の姿勢や校風が、以前よりも重視されている印象があります。
『偏差値だけで学校を選ぶ時代から、学校そのものの価値を見る動きへと変わってきている』
のかもしれませんね。この傾向は、東京の動きともどこか連動しているように感じます。
さて、この時期からさらに寒さも厳しくなってきますが、何よりも健康第一でいきましょう。どうか最後まで、諦めずに頑張ってください。先日、首都圏模試も最終回を迎え、保護者の皆さんの緊張感もいよいよ高まってきたと感じました。模試会場での講演後に個別のご質問を受けましたが、お話を聞きながら、こちらも一緒に泣きそうになる場面もありました。
保護者の皆さんの思いに触れるたびに、本当に胸が詰まるような気持ちになります。それだけ、この入試がご家族にとって大切なものだということですよね。
どうか、皆さんにとって良い入試になりますように。心から、そう願っています。