【中学受験】2025年度どうだったのか?~2月入試 共学校・前編~驚異の700%超え 声教チャンネル テキスト版
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2025.10.26
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【中学受験】2025年度どうだったのか?~2月入試 共学校・前編~驚異の700%超え

目次:【中学受験】2025年度どうだったのか?~2月入試 共学校・前編~驚異の700%超え

2025年度の共学校入試の振り返りです。共学校は数が多いので、前半・後半に分けて、
前半では応募者数が多かった学校
後半では高実倍率となった学校
について、2026年度入試の予想も交えながらお話ししていきたいと思います。

2月入試共学校編前半
2月入試共学校編前半

【2025年度入試 共学校 応募者数最多校(前年比)】

  1. 広尾学園 3,416人(102.9%)
  2. 日本工業大学駒場 3,269人(149.5%)
  3. 開智日本橋学園 3,158人(98.8%)
  4. 安田学園 3,036人(116.0%)
  5. 三田国際科学学園 3,011人(110.8%)
  6. 東京農業大学第一 2,937人(109.3%)
  7. 東京都市大学等々力 2,643人(84.3%)
  8. 國學院大學久我山 2,460人(98.6%)
  9. 神奈川大学附属 2,281人(106.4%)
  10. 渋谷教育学園渋谷 2,259人 (100.5%)
  11. 桜丘 2,240人(150.1%)
  12. 広尾学園小石川 2,191人(102.4%)
  13. 山手学院 2,171人(112.5%)
  14. かえつ有明 2,139人(84.5%)
  15. 法政大学第二 2,007人(113.3%)
  16. 淑徳巣鴨 1,940人(135.5%)
  17. 日本大学 1,906人(105.7%)
  18. 文教大学付属 1,894人(133.2%)
  19. 芝国際 1,756人(252.3%)
  20. 関東学院 1,743人(103.9%)
  21. 文化学園大学杉並 1,736人(129.0%)
  22. 青稜 1,708人(96.1%)
  23. 多摩大学目黒 1,683人(124.9%)
  24. 駒込 1,619人(109.8%)

▼応募者数最多校①

まずは参考として、2024年度入試の応募者数ランキング・ベスト10を見てみましょう。
このような結果になっていました。
共学校のランキングでは、
広尾学園が前年より10%以上応募者を減らしたものの、それでも依然として第1位を維持していた
ということですね。

2024年度応募者数共学校トップ10
2024年度応募者数共学校トップ10

□広尾学園
やはり広尾学園が第1位となりました。
しかも、応募者数は昨年よりもわずかに増加しています。
2024年度に一度減少した分ほどではありませんが、安定した人気を維持している点が大きな特徴といえます。

共学校応募者数最多校①
共学校応募者数最多校①

□日本工業大学駒場
この学校の伸びは本当に顕著です。
セミナーなどでよくお話ししているのですが、日本工業大学駒場の応募者数は、
7年前の2018年度にはわずか451名でした。
それがこの7年間で実に725%増加しています。
驚異的な伸びです。さらに、過去問の販売実績データを確認すると・・・
8年連続で前年を上回っています。
一般的に応募者数には「隔年現象」と呼ばれる増減の周期が見られるものですが、この学校ではその傾向が一度も見られないというのは、非常に珍しいことです。
また、来年度は中学校の定員も増加する予定です。
ただし・・・
増員分はすべて2月1日の入試に充てられています。
これは、第一志望として受験する生徒をより多く合格させたいという学校側の方針の表れでしょう。

日本工業大学駒場
日本工業大学駒場

一方で、後半日程の入試では非常に高い倍率となっており、さらに合格しても入学に至らないケースが一定数見られるようです。
そのため、学校としては・・・
2月1日の第1回入試で本当に入学を希望する生徒をしっかりと受け入れたい
という考えがあるのだと思われます。
ただし、2026年度入試に関しては、全体の応募者数はやや減少する可能性が高いと見られます。

2018年比725%
2018年比725%

□開智日本橋学園
こちらはほとんど変化がありませんね。数字も前年とほぼ同じで、安定した人気を保っているといえるでしょう。

□安田学園
ここも非常に好調です。応募者数が3,000人を超えました。やはり人気の高さを感じますね。
安田学園は・・・
面倒見の良い学校
としての評価が高く、さまざまな面で評判が上がっています。
加えて、大学合格実績が着実に伸び続けている点も大きな要因でしょう。
こうした実績の積み重ねが応募者増加につながっていると考えられます。

安田学園
安田学園

□三田国際科学学園
こちらも応募者が3,000人を超えました。
このレベルの学校で応募者が1割増えるというのは、入試難度の上昇を感じさせますね。
校名が「三田国際科学学園」となり、
新たに「ラボ棟」という実験や探究活動に特化した施設も整備されました。
同校はもともと海外大学進学や英語教育に強いイメージがありますが、
探究的な学びや「英語で考える力」を重視して成果を上げてきた学校でもあります。
その強みに新しい施設が加わったことで、今後さらに人気が高まる可能性がありそうです。
学校名に「科学」が加わったことで、より関心を集めている印象ですね。

□東京農業大学第一
こちらも非常に勢いがあります。応募者数は前年から約1割増加しています。2024年度にはすでに2割以上の増加があり、そこからさらに伸びているのです。

東京農業大学第一
東京農業大学第一

2025年度入試は、2月1日午前入試に参入して2年目にあたりますので、その影響もあるかもしれませんが、それを差し引いても人気の高さがうかがえます。

▼応募者数最多校②

□東京都市大学等々力
応募者数はやや減少しましたが、これまで増加傾向が続いていた学校です。
少し難度が高くなったことで、受験生の一部が敬遠した可能性もありますね。
ただ、これはいわゆる「隔年現象」と考えられますので、2026年度入試では再び受験生が戻ってくる可能性が高いでしょう。

東京都市大学等々力
東京都市大学等々力

□國學院大學久我山
こちらは大きな変化はなく、応募者数もほぼ前年並みでした。
安定した人気を保っている学校のひとつです。
また、日本工業大学駒場と同様に、井の頭線沿線の学校が注目されているという点も興味深いですね。

□神奈川大学附属
ここは非常に注目すべき動きを見せています。
神奈川県全体としては応募者数が減少傾向にある中で、神奈川大学附属は増加しています。
詳細を調べても感覚的にも、
特に女子の志願者が増えている可能性が高いようです。

神奈川大学附属
神奈川大学附属

神奈川県全体が共学校志向にシフトしているなかで、その中でも上位層の人気を集めているのがこの学校です。

上位層の人気を集めている
上位層の人気を集めている

・アクティブラーニング
・ICT教育
・プログラミング教育
・探究活動

など、新しい学びのスタイルを積極的に打ち出し、力を入れている点が高く評価されています。
また、神奈川県内で同様の新しい教育を打ち出している学校は他に・・・
・横浜創英
・桐蔭学園

などがありますが、
桐蔭学園は今年、応募者数がやや減少しました。
そうした中で、神奈川大学附属は新しい教育方針を掲げる校長先生のリーダーシップのもと、県内でも特に注目度が高まっている学校といえるでしょう。

□渋谷教育学園渋谷
こちらは大きな変化は見られませんが、言うまでもなく最難関校の一つです。常に高い人気を維持しており、その結果にも納得がいきますね。

□桜丘
前年比150%と、大きく伸びた学校のひとつです。まさに「今年ブレイクした」といえる注目校ですね。
ただ、ここまで人気が高まると、2026年度入試では後半日程の難易度がかなり上がる可能性があります。
そのため、第一志望として受験する方は、できるだけ早い段階で合格を確保しておくことが大切になりそうです。

□広尾学園小石川
こちらも非常に高い人気を維持しており、まさに“高止まり”の状態といえるでしょう。
広尾学園と広尾学園小石川は、日程を分けて入試を実施していますが・・・
・かつては両校を組み合わせて受験するケースも多数
・最近では、どちらか一方に絞って受験する傾向

が強くなっているようです。どちらの学校もすでに難関校として定着していますので、受験生は「どちらを本命にするか」をはっきり決めたうえで、他の日程では別の学校を“安全校”として押さえるという戦略を取っているようです。また、立地的にも両校はそれほど近いわけではないため、受験エリアの違いも選択の分かれ目になっているのかもしれません。

広尾学園小石川
広尾学園小石川

▼応募者数最多校③

□山手学院
神奈川県内では相変わらず高い人気を誇っています。
先に紹介した神奈川大学附属と同様に、「特に女子の共学校志向」が進む神奈川において選ばれている学校の一つといえそうです。

山手学院
山手学院

□かえつ有明
昨年までの応募者数ランキングでは上位に位置していましたが、昨年やや減少したことに続き、今年はさらに減少幅が少し大きくなりました。
複数回ある入試のうち、特待入試が非常に高倍率になっていることもあり、一部の受験生が敬遠している可能性もあります。
ただし、2026年度入試では、応募者数が再び回復する可能性も十分考えられます。

□法政大学第二
こちらはいわゆる“大学附属校”ですね。
神奈川大学附属などは、内部進学率がそれほど高くありませんが、
法政大学第二の場合は、ほとんどの生徒がそのままエスカレーター式で法政大学へ進学します。

神奈川の大学附属校の中でも特に人気が高い学校といえるでしょう。また、その次に位置する日本大学も依然として高い人気を保っています。
こうして見ると、神奈川県では「附属校人気」が根強く続いており、一時のブームではなく、すっかり定着した印象があります。

法政大学第二
法政大学第二

その背景には、中学受験が年々厳しさを増すなかで、後の大学受験で「また大変な思いをしたくない」、
「附属校に進めば、大学まで一貫して安心」という保護者の気持ちがあるのかもしれません。
一度合格すれば、その先10年間は受験に追われることがなく、日々の学習面も学校にしっかりサポートしてもらえるのです。さらに「面倒見の良い学校」が人気の背景は、学校にお任せしてしまえば、
保護者が逐一、「勉強したの?」「宿題やったの?」といった声かけを毎日のようにしなくてもよくなる――そうした安心感が後押ししているのだと思います。
つまり、「大学附属校が選ばれる理由」と、「面倒見の良い学校が支持される理由」は、実は根本的な部分で共通しているのかもしれません。

面倒見のいい学校や附属校が人気
面倒見のいい学校や附属校が人気

その点で、淑徳巣鴨や文教大学附属のように、
・「学校がきちんと導いてくれる」
・「勉強のやり方を教えてくれる」
・「自習環境が整っている」

といった信頼感のある学校が応募者数上位に入っているのも納得です。

淑徳巣鴨・文教大附属
淑徳巣鴨・文教大附属

□文教大学附属
文教大学附属といえば、神戸校長先生(後藤さんの同級生)のイメージもありますね。

文教大附属
文教大附属

過去問が品薄になるほど人気が高まっています。
この「過去問の品薄情報」については、11月下旬ごろに改めてお伝えする予定です。

文教大附属過去問すでに品薄
文教大附属過去問すでに品薄

▼応募者数最多校④

□芝国際
こちらも見事な復調ぶりです。一気に応募者数が戻ってきましたね。模試の登録者数も増加しており、今後さらに人気が高まっていく可能性があります。

芝国際
芝国際

□関東学院
ここも近年、非常に人気が高まってきていますね。
・神奈川大学附属
・山手学院
・日本大学

などと同様に、神奈川県内で進む“共学校人気”の流れにうまく乗っている学校といえます。
関東学院は「附属校」というよりも、どちらかといえば“進学校”という色が強い印象
です。
特に注目すべきは、
〝横浜翠嵐高校から新たに赴任されたカリスマ教員の存在です。″

関東学院①
関東学院①

実際にその先生の神授業を拝見しましたが、
教え方そのものというよりも、授業全体に生徒が一気に引き込まれていくような熱気があり、
まさに圧巻でした。
さらにその日の午後には、高校3年生全員を対象とした進路集会が開かれ、
「これから大学受験に向けてどう挑むか」という熱いメッセージが語られました。
私(後藤)もその場にこっそり同席していたのですが、その内容に感動して思わず涙がこぼれました。
“最後までやり抜こう”“全員で頑張ろう”という言葉が心に響き、
私自身も「もう一度頑張ろう」と奮い立たされ、会社に戻って再び仕事に励んだほどです。

関東学院②
関東学院②

生徒だけでなく、大人にもエネルギーを与えるような先生がいる――
そんな学校の勢いを感じました。
これからさらに大学合格実績も伸びていくのではないでしょうか。今後の成長がとても楽しみな学校です。

□文化学園大学杉並
この学校の人気の理由は、やはり“国際教育”です。ダブルディプロマコースをはじめ、国際的な学びの環境が整っています。

文化学園大学杉並
文化学園大学杉並

それに加えて、カフェテリアをはじめとした施設の充実も魅力の一つです。さらに、新たな建物も完成しており、最先端の企業と連携しながら・・・
「これからの時代を担う生徒を育てる」ための新しい取り組みをすでにスタートさせています。

新しい取り組み
新しい取り組み

これは次年度の高校募集から本格的に始まるようで、教育内容をより先鋭化させようとしているのが印象的です。今後、さらに注目を集め、人気が高まっていく可能性が高いでしょう。
模試の登録者数も増加しており、受験の難度を心配し、敬遠される受験生もなきにしもあらずですが、これまでの流れを考えると、応募者が減るということはなさそうです。

□青稜
こちらは応募者数がやや減少しましたが、大きな変化はありません。安定した人気を保っている学校です。コロナ禍以降は、青田先生が発信力を強化され、その明るく魅力的な人柄もあって注目が高まっています。テレビ出演などを通じて、学校の雰囲気や教育方針をより多くの人が知るきっかけになっているようですね。

青稜
青稜

□多摩大学目黒
最近、名前を耳にする機会が増えた学校のひとつです。アクセスの良さもありますが、人気の理由はそれだけではありません。
・丁寧で面倒見の良い指導体制
・充実した教育環境など、「生徒をしっかり育てる学校」

として評価が高まっているのが特徴です。

多摩大学目黒
多摩大学目黒

□駒込
多摩大学目黒と同様に、面倒見の良さが高く評価され、人気が続いている学校です。
先生方の熱意ある指導が印象的で、私(後藤)もテレビ東京の番組で駒込の先生とご一緒した際に、
その教育に対する真摯な姿勢を強く感じました。ちなみに、その場には京華中学の先生もいらっしゃいました。

駒込
駒込

▼まとめ

今回は「応募者数の最多校」についてお話ししました。
・2割、3割と大きく応募者を増やしている学校も多数
・特に共学校の方が、その部分の伸びが目立つ印象

以前までは“穴場”とされていた学校でも、今回のランキングに入っていないところで確実に人数が増えているケースがあります。
そのため、これまで比較的合格しやすかった学校でも、このままの勢いが続くと、今後は難度が上がっていく可能性がありますね。
一方で、神奈川の女子校には比較的受けやすい学校もまだ多く見られるかもしれません。

併願校を考える際は・・・
「共学校だけ」「別学校だけ」といった形であまり限定せず幅広く検討してみる
ことがおすすめです。
次回は「高実倍率校」について取り上げます。
少しドキッとするような内容もありますが、
興味深いデータがたくさん出てきますので、ぜひご覧ください。
それでは、今回の動画はここまでです。

前半はここまで
前半はここまで
講演者紹介
声の教育社 三谷
  • 学生時代から塾講師を始め、教室長・受験対策部長として約20年の指導を経験したのち、2000年に声の教育社へ入社。以来、学校担当として年間のべ100校以上の中高を訪問し続けている。
  • 中学受験業界の著名人が講師を務めることで知られる「首都圏模試センター保護者会」をはじめ、「東京私学経営者協議会」「神奈川私立中学広報会議」「安田教育研究所主催セミナー」など、多くの講演活動も行っており、「よみうり進学メディア」「塾ジャーナル」他での執筆も多数。
  • 私学や塾のオモテだけでなくウラ情報にも精通しているが、家にテレビが無いためやや世情には疎い。
声の教育社 後藤
  • 塾講師を10年経験したのち、声の教育社へ編集者として入社。現在は渉外業務を中心に、講演会や動画授業の講師も務める。
  • 編集部時代は毎年250校、500回以上の入試問題をひたすら解き、解説を編集するという日々を10年以上過ごす。
  • 保護者として息子の中学受験も経験。
  • 三度の飯より過去問が好き。

SNSでも情報発信中!:https://twitter.com/koe_kyo
LINE公式もやってます!:https://www.koenokyoikusha.co.jp/pages/LINE100
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