【中学受験】速報!2025年度2月入試結果と繰り上げ状況※2025年2月7日時点
出典:声教チャンネル(声の教育社)
記事:metasc
2025年度の入試も、ほぼ一通り終わりましたね。あとは、公立中高一貫校の結果発表を待つのみといったところでしょうか。
入試の結果についてですが、2月3日、4日、5日あたりまでは比較的静かな印象でしたが、ここ数日で一気に状況が動きました。予想通りの部分もありましたが、「あれ?」と思うような意外な展開も見られ、なかなか波乱含みの状況です。まだ入試に臨んでいるご家庭もいらっしゃるので、「お疲れ様」という言葉は控えつつ、入試結果と繰り上げ合格の現状について見ていきましょう!
▼男子校
□最難関校
難関校の状況についてお話ししたいと思います。
合格者数の比較を見てみると、開成と武蔵は合格者を増やしており、筑波大学附属駒場も若干増加していますが、おおむね昨年と同程度の水準です。
特に、最難関校=御三家と呼ばれる学校では、やや倍率の緩和が見られる印象です。

開成
繰り上げ合格が10人程度発生しているものの、大きな変動は見られない状況です。
麻布
志願者数が減少したため、それに伴い合格者数も減少させました。
一般的に・・・
一定の割合の志願者が減少する→第一志望者の割合が高まる→合格手続き率が上昇する
傾向があります。そのため、合格者数を調整したのは妥当な判断と言えます。
今年は昨年より約12人合格者を減らしました。
しかし、各塾の合格実績を日々確認していると、麻布の合格者数が現在30人弱増加していることが分かります。このことから、繰り上げ合格が一定数出ている可能性が高いです。昨年も繰り上げ合格の動きがありましたが、今年はそれ以上に繰り上げの人数が多いように見えます。
また、麻布で繰り上げ合格が出ると、他の学校にも影響が波及する可能性があります。いわゆるドミノ式の動きが今後起こるかもしれません。
最上位校の中では、麻布が最も繰り上げ合格を多く出しているように見えます。

武藏
昨年は武蔵が比較的繰り上げ合格を多く出していましたが、今年は合格者を5人ほど増やしているため、今のところ大きな動きは見られません。
筑波大学附属駒場(筑駒)
筑駒の合格発表は2月5日でした。
合格手続きの締切日は2月11日(祝日)
そのため、そのタイミングで再び動きがある可能性があります。
昨年の傾向として、筑駒と開成の両方に合格した受験生の多くが開成を選択しており、その結果として筑駒の繰り上げ合格が多く発生しました。今年も同じような動きがあるとすれば、男子校全体としてもう少し変動があるかもしれませんね。

□中堅上位校
桐朋
今年も比較的動きが多いようです。昨年より受験者数が増加したことも影響していると考えられます。受験者が増えると併願で受験する層も増える→それを見越して合格者を出す
という策をとったようですが、昨年よりも繰り上げの動きが活発で、現在も続いているように見えます。

東京都市大学付属
東京都市大学付属は受験者数が減少したものの、入学手続き率(歩留まり)が非常に高いようで、
むしろ・・・
入学辞退者が多少出てくれると助かる
状況になっています。東京都市大学等々力も同様の傾向が見られます。やはり受験者数が減少すると、合格者の歩留まり率が上がる傾向があるようです。

本郷
本郷は今年も絶好調です。特に過去問の販売数が男子校の中で最も多かったことが、その人気の高さを示しています。模試の結果からは受験者数の大幅な増加予測は見られませんでしたが、過去問の出庫率(販売数)の伸びが、実際の入試結果とも一致した形となりました。

都内の男子校の状況についてですが、
・東京都市大学付属
・日本大学豊山
は歩留まり率が高い状況です。
そのため、これらの学校ではむしろ入学辞退者が少し出てくれると助かるという思いもあるかもしれません。まだ繰り上げ合格が出る可能性はありますが、日本大学豊山や東京都市大学付属は、すでに繰り上げを出せない状況に近づいているとも言えます。
こうした状況が続くと、ある程度受験生の動きが停滞し、結果的に繰り上げの流れがうまく調整される可能性もあります。ただし、一方で玉突きのように他校に影響を及ぼす可能性もあり、今後の展開が注目されます。
立教新座
まず、以前の動画で数字に誤りがあり、ご指摘をいただきました。ここで訂正させていただきます。

今年の繰り上げ合格については、2022年(3年前)と同様の動きになりそうです。
つまり・・・
非常に多くの繰り上げ合格者が出る見込みです。
すでに113名が繰り上げ合格となっており、2月7日の時点で100名以上が繰り上がるという状況です。このことから、今年の男子校の入試はまだ動きが続く可能性が高いと言えます。特に成城などにも影響が出るかもしれません。
なぜ立教新座は繰り上げが多いのか・・・?
立教新座の繰り上げ合格が多く発生している理由の一つとして、
・開智所沢の人気の高まりが影響
している可能性があります。今年、開智所沢の志願者数が大きく増加し、その影響で状況が大きく動くのではないかと考えられていました。
しかし、2月4日の開智日本橋の入試倍率を見ると、
・今年は初めて前年よりも緩和
・合格者数も前年の倍以上
1月入試の段階での手続き率がそれほど高くなかったのではないかと推測できます。
このことから・・・
立教新座も予想ほど手続き率が高くなかった可能性が考えられます。
合格者数自体は前年と比べてわずか4人減っただけで、ほぼ昨年並みの水準でした。しかし、それでも繰り上げ合格が多く出ていることを考えると今年の埼玉入試全体が大きな注目を集めていた一方で、東京からの受験者が実際にどれほど手続きを進めたのかは不透明な部分があるのかもしれません。
やはり、1月入試は1月入試で完結する流れが例年通り続いているのかもしれません。ただ、手続き締め切りが一通り終わる2月10日以降に再び大きな動きが起こる可能性もあるため、今後の展開にも注目する必要がありそうです。

□神奈川
聖光学院
今年も非常に高いレベルを維持しており、
・難易度がさらに上がった印象
・合格者数もやや絞り気味
の傾向が見られます。
栄光学園
・合格者数を15人ほど減少させた
・例年より繰り上げ合格が出ている
現在もまだ動きが続いているように見え、今後の展開が注目されます。
浅野
・今年から募集定員を削減した
・合格者数も45人減少
しかし、昨年と同程度の繰り上げが発生しているようです。
現時点では、これ以上の定員超過は避ける方針で、欠員が出た場合のみ補充する形になるとの情報があります。そのため、大きな繰り上げの動きはないかもしれません。ただ、当初は定員削減によって繰り上げが出ないのではとも思われましたが、合格者数も減らしたので、実際には例年と同様の動きを見せているようです。

▼女子校
□豊島岡女子学園
今年特に注目されたのは豊島岡女子だったと思います。
・英語資格入試が導入された
ことで、従来の一般入試の合格者数は例年並みでしたが、その分を加えることで昨年より合格者数が41人増加しました。
ただし、倍率は依然として高い状況です。英語資格入試では準2級を持っている受験生が多かったと推測されますが、全体的に4科目受験と比べても倍率はやや高めに出ている印象です。特に、算数の出来が合否を大きく左右したことが、今回の英語資格入試の結果からも見て取れます。
また、
・繰り上げ合格の人数は昨年より半減している
ように見えます。これは、英語資格入試を導入し、合格者を増やしたことで全体の動きが落ち着いたためと考えられます。

□最難関校
御三家女子校に関しては、全体的にやや緩和している傾向が見られます。
・桜蔭は合格者をやや増加させた
・女子学院と雙葉は若干合格者を減少させたものの、ほぼ昨年並みの水準
・繰り上げ合格についても例年と大きな変化はない
また、慶應義塾中等部の合格発表後の動きにも注目が集まります。昨年はほとんど繰り上げ合格が出ませんでしたが、今年はどうなるのかが気になるところです。
女子校の詳しい動向については、次回さらに掘り下げてお話ししたいと思います。

□神奈川
神奈川の女子校は、今年はかなり緩やかな状況が続いているようです。
・合格しやすい傾向が見られる
・歩留まりが悪いため
対応に苦慮している学校も少なくないという話を聞きます。
一方で、神奈川の共学校における女子の競争は非常に厳しい状況です。ここまではっきりとした対照的な構図になるのは、予想以上の展開でした。

▼共学校
□青山学院
昨年よりもさらに難化したという結果になりました。もともと女子人気が高いと言われていましたが、今年は特に男子の入試が厳しかったようです。とはいえ・・・
依然として女子の倍率の方が高く、1回しか試験がないうえに倍率5倍以上
という非常に厳しい入試となりました。

□中堅上位校
淑徳巣鴨
1クラス増設したものの、難易度はほぼ変わらず、むしろ「良い入試になった」と学校側も評価しています。ただし、受験生にとっては依然として厳しい戦いだったかもしれません。
文化学園大学杉並
学校の先生からは「受験者数が増加した」との報告があり、人気が高まっている様子がうかがえます。
東洋大学京北
学校の先生からも、「学校の認知度が上がり、多くの受験生に受験してもらえた」という声がありました。さらに、初めて導入した算理2科入試も想定通りの受験者数を確保できたとのことです。
東京都市大学等々力
先ほどもお話ししましたが、東京都市大学等々力は
・受験者数が減少した
・歩留まりは非常に高い状態
そのため、中堅校は依然として安定した人気を維持していると言えます。
また、2科目入試や特待入試に関しては、例年通り男子校や共学校で高い倍率が見られ、競争が激しい状況が続いたように思います。

渋谷教育学園幕張(渋幕)
渋幕では、2月入試の倍率が10倍を超えるという非常に厳しい状況となりました。
・合格者数は昨年より約51人増加
・合格手続き率が非常に高かった
このように、依然として狭き門であったようです。
広尾学園
後半日程では倍率が10倍を超えるなど、複数回入試を実施する人気校では、特に後半日程の競争が激化していました。そのため、最後までチャレンジを続けた受験生にとっては、非常に厳しい戦いになったのではないかと考えられます。

□神奈川
神奈川の共学校では、女子の共学校志向がより明確になってきている印象です。
以前は、神奈川の難関女子校といえば・・・
フェリス女学院
横浜雙葉
横浜共立学園
洗足学園
といった学校が中心で、近年は湘南白百合学園の人気も上昇していました。
しかし、最近では・・・
法政大学第二
青山学院横浜英和
中央大学附属横浜
GMARCH系の付属校が非常に人気を集めているという話がありました。
しかし、今年の入試結果を見ると、それはこの大学付属の3校に限らないようです。
例えば、
・森村学園:後半日程で倍率が10倍を超え、合格者がわずか1人という非常に厳しい状況でした。
・関東学院/山手学院:手続き率が高く、入学辞退者が少ないという話も聞かれます。
中には、想定以上の入学手続き者により、1クラス分を超過してしまい、「できるだけ早く入学辞退者が出てほしい」と考えている学校もあるようです。

▼まとめ
国公立の合格発表、特に公立中高一貫校の結果発表も控えているため、まだ動きが続く可能性があります。これについては、また次回の動画で詳しくお話ししたいと思います。
現在、学校側も動きを早めており、追加合格を検討している学校も多い状況です。そのため、これからも繰り上げ合格が出る可能性が十分にあります。
毎年のことですが、すでに手続きを済ませたものの、まだ複数の合格を持っていて迷っているご家庭がある場合、入学の意思がない学校にはできるだけ早く辞退の連絡を入れてください!!
電話やメールなど、どんな方法でも構いませんので、「辞退します」と早めに伝えることが重要です。
辞退の連絡をすることで、空いた席が次の受験生に回り、新たな合格が生まれます。
さらに、その合格が別の受験生へと繋がることで、より多くの受験生が進学先を決めることができます。

定員超過している場合は、追加合格が出ないこともありますが、欠員が発生した時点で繰り上げ合格を出す学校もあります。
そのため、一刻も早く辞退の連絡を入れることで、繰り上げ合格を待っているご家庭にチャンスが回る可能性が高まります。
最後に・・・
合格の桜が咲いているご家庭もある一方で、まだ中学受験すべては終わっていない状況です。 辞退の連絡を入れるのは気が引けるかもしれませんが、一緒に頑張ってきた受験生のために、ぜひご協力をお願いします。
今後、繰り上げ合格の動きについても引き続きお伝えしていきたいと思います。 1人でも多くの受験生に合格が届きますように、そして学校側もできるだけ多くの繰り上げ合格を出してくれることを願っています。
