【中学受験】2025年度1月入試結果と2月入試に向けて~後半~※2025年1月29日時点
出典:声教チャンネル(声の教育社)
記事:metasc
後半では、いよいよ目前に迫った2月1日の東京・神奈川入試の動向について、途中経過をお伝えします。実際の結果は当日にならないと分かりませんが、現時点での予測や注目ポイントを見ていきましょう。
▼プチサンデーショックの影響
□青山学院
2月2日が日曜日のため、青山学院中等部の入試が2月3日に変更されました。
過去問題集も売れていて、この影響がどう出るのか注目されていましたが、現時点で
出願者数は増加
しており、予想通りの動きとなっています。なお、まだ出願締切前のため、最終的な数字はさらに増える可能性があります。

□学習院女子
出願者数はやや減少
しています。もともと学習院女子の試験日は2月3日だったため、これまで学習院女子を受験していた層の一部が青山学院に流れた可能性があります。
□2月2日試験の付属校
エリアは青山学院とは異なりますが・・・
明治大学付属明治:女子の出願者が増加し、男子はほぼ横ばい
青山学院の入試日変更は特に女子に影響を与えると予想されていましたが、今年は男子にも影響がありそうです。
立教池袋:応募者増加
明治大学付属中野:応募者増加
明治大学付属中野については、定員増加の影響も考えられます。
ここで興味深いのが、付属校人気が男子にも広がっている点です。青山学院といえば、箱根駅伝の活躍が大きく注目されており、この影響で学校のブランドイメージがさらに向上している可能性もあります。今回の青山学院の応募者増加は、単にプチサンデーショックの影響だけではなく、箱根駅伝優勝が後押ししている可能性も考えられます。
とはいえ、最終的な影響については実際に試験が終わるまで分からない部分も多いため、今後の動向にも注目していきたいところです。なお、青山学院はまだ出願を締め切っていないため、さらに受験者数が増える可能性もあります。

▼東京農業大学第一の2/1AM参入の影響
今年から2月1日午前入試に参入した東京農業大学第一ですが・・・
応募者が多数集まっている
ようです。
□鴎友学園女子
東京農業大学第一の影響は特になさそうでした。むしろ・・・
鴎友学園女子の応募者数は増加
しています。
鴎友学園女子と東京農業大学第一は同じ経堂駅が最寄りということもあり、併願者が多いのではと予想されていましたが、実際にはそういった影響は見られませんでした。鴎友学園女子の先生方によると、
「併願者の多くは他の女子校が中心で、東京農業大学第一とバッティングする影響は感じられない」
とのことです。
鴎友学園女子の応募者数が減らなかったのは意外な結果でしたが、背景にはいくつかの要因が考えられます。例えば・・・
・今年の大学合格実績で東大合格者が10名出た
学校としてはこの実績を大きくアピールしていないものの、進学実績の向上が評価されている可能性があります。
・吉祥女子の算数の出題形式変更
エリアは少し異なりますが、影響しているかもしれません。吉祥女子は今年から「豊島岡女子学園の算数の方式に寄せて途中式の記入を不要」にしましたが、鴎友学園女子は従来通り途中式や考えたプロセスを重視する傾向を維持しています。この違いが受験生や保護者の選択に影響を与えた可能性もありますね。
それにしても、鴎友学園女子の根強い人気は健在。やはり良い学校だからこそ、安定した志願者数を維持しているのでしょう。

□東京都市大学付属/東京都市大学等々力
東京農業大学第一の影響を受けた可能性があり・・・
2月1日入試の応募者数が減少
していました。これは事前の予想通りといえます。
▼入試変更点の影響
□豊島岡女子学園
今年の大きな変更点の一つ。
新たに英語資格入試を導入
すでに出願は締め切られており、英語資格入試3回の試験を合わせて286人が出願しています。
1回目の入試について見ると・・・
昨年:応募者数は993人
今年:途中経過の時点で英語資格入試を含めて1000人を超えている
全体として志願者数は増加傾向にあると言えそうです。
特に気になるのは、英語資格入試の合格者がどのくらい出るのかという点です。今回が初めての試みのため、まだ具体的な動向は見えませんが、豊島岡女子学園ではこの入試について「4科の筆記試験と算数+英語資格のどちらか良い成績を採用する」と発表しています。そのため、すでに受験勉強をしっかりしている生徒が、英検の資格を活かしてさらにチャレンジしようと考えている可能性があります。
また、「豊島岡女子学園の通常入試では少し厳しいけれど、英検資格があるから挑戦してみよう」と考える受験生層を新たに掘り起こしている可能性もあり、学校としてもこうした生徒を迎え入れたい意図があるようです。
そういった意味では、この英語資格入試の導入は学校にとっても受験生にとってもプラスに働いているのかもしれません。

□光塩女子学院/日本女子大学附属
算数1科入試を導入
どちらも伝統ある名門校であり、新しい入試方式の導入によって全体の応募者数が増加する可能性があります。

□東洋大学京北
算数・理科2科入試を新設
全体的に応募者が増加傾向にあるようです。
□神奈川学園
1科入試を実施していた神奈川学園は、昨年応募者が減少しましたが、今年はその反動もあって増加しています。
神奈川県内の女子校全体を見ると、大きな応募者数の増加は見られません。 近年、神奈川では・・・
「女子の共学志向」
が強まっており、中堅校だけでなく、偏差値の高い共学校でも女子の受験者が増加しているのが特徴です。その影響もあり、女子校の志願者数が相対的に減少しているように見えます。
あくまでも途中経過ですが・・・
神奈川で女子校を検討しているご家庭にとっては、今年は前向きに捉えられる状況かもしれません。共学を目指すのも良いですが、併願校を考える際、後半日程で女子校も視野に入れることで、合格のチャンスを広げられる可能性があります。受験プランを立てる際の参考にしてみてください。

▼定員増減の影響
□定員増加校
・安田学園:大幅に増員
しており、途中経過ではありますが、今年はやや入りやすくなる可能性もありそうです。定員増によって受験者が増えることは予想されますが、それ以上に枠の拡大が影響しそうです。

他にも複数の学校で定員の増加がされています。
・明治大学付属中野
・淑徳巣鴨
1クラス分の増員があったものの、すでに非常に高い人気を集めています。学校側もこの人気を考慮したうえで定員増を決定したのかもしれませんが、入試の競争率は依然として高くなりそうです。

・日本大学藤沢
これまでの「若干名増加」ではなく、具体的な定員増の発表があり、応募者が大幅に増加しています。
特に女子の出願者が増えている点が特徴的で、やはり・・・
神奈川では共学志向が強まっている
ことが伺えます。男子の志願者も増加しており、同じ日本大学系列の日本大学中学校(日吉)も応募者数が増加しています。
この流れは、青山学院横浜英和、中央大学附属横浜、法政大学第二といった人気の大学付属共学校だけでなく、それ以外の共学校にも広がっています。神奈川大学附属も応募者数が増加しており、特に女子の志願者がこれらの共学校に集まっている印象があります。
「共学校、特に大学付属校の人気が引き続き高まっていること」が、今年の神奈川入試の大きなトレンドの一つと言えそうです。
□定員減少校
・浅野
定員を減少させましたが、応募者数は大きく変わっておらず、影響はほぼないようです。学校側も「定員が減っても、それほど変わらない」と話していました。ただし、応募者数が横ばいであれば倍率が上がる可能性はありますね。
□その他の動き
・聖光学院
東大合格者数100名を達成しており、この影響もあって応募者数は増加傾向です。
これは予想通りの動きですが、一方で麻布の応募者数がやや減少している点は注目されます。聖光学院の好調な大学実績が、麻布の志願者数に影響を与えている可能性も考えられます。
・付属校人気
難関校を目指す塾の間でも「付属校志向が高まりそうだ」という話が出ていました。実際に慶應義塾普通部の人気が高く、早稲田実業も応募者数を増やしている状況です。ただ、全体的に付属校人気が一気に急上昇しているわけではなく、昨年並みの水準を維持しつつ、一部の学校ではやや受かりやすくなる傾向も出てきているかもしれません。
・公立一貫校
昨年までは埼玉で応募者が増えていましたが、今年は減少傾向にあります。神奈川県内で応募者が増えたのは横浜市立南高等学校附属くらいで、その他の学校はどこも昨年並みか減少傾向となりそうです。公立一貫校の志願者数全体としては、引き続き減少傾向が続いているようですね。

▼受験直前メッセージ
□三谷さん
受験が迫り、「どうしても合格したい」という思いや、不安が募る時期かもしれません。1月入試で良い結果が出た受験生は自信を持って臨める一方、思うような結果が出ずに不安になっている受験生もいるでしょう。しかし、受験は・・・
「学校が選ぶ場」ではなく、「お互いが選び合う場」 です。
学校も多くの受験生に挑戦してほしいと考えているため、「対等な関係」だと思って臨むことが大切です。


講演や保護者会ではよく「もしうちの子を不合格にしたら、この学校は見る目がないよね!」と冗談交じりにお子さんに言ってみることをお勧めしています。そう考えることで、お子さんの気持ちが少し楽になるかもしれません。

また・・・
「ワクワクする」 という考え方も大切です。
どんな問題が出るのか楽しみにしながら受験に向かうことで、自然と前向きな気持ちになれます。実際に、「試験後に『面白かった!』と言う受験生は合格しやすい」という話もあります。これは、問題を冷静に読み、落ち着いて解けている証拠 だからでしょう。

受験生は試験本番に向けて、「楽しんでいいんだ」という気持ちを持ち、リラックスして臨んでください。前向きな気持ちが、きっと道を開いてくれるはずです!
□後藤さん
私はネット記事を書くこともあり、2月3日の配信や試験後の記事など書かなければならないのですが、記事を書いているうちに、感情が込み上げてきて大変な思いをしています。
受験生の親子の気持ちを考えると、私自身、もう涙を流してしまいました。保護者の方には、
「合格の喜びの涙は存分に流して
悲しみや辛さの涙は少し抑えて
最後まで前向きな気持ちで受験に臨んでいただきたい」
と思います。
お子さんには「問題を楽しんでね」という言葉をかけてあげて欲しいと思います。明るい気持ちで受験を続けることが大切だと考えています。

いよいよ本番です!
この後はお会いするのは、「結果報告」となります。
ありがとうございました。皆さん、頑張ってくださいね!
