【中学受験】2025年度1月入試結果と2月入試に向けて~前半~※2025年1月28日時点
出典:声教チャンネル(声の教育社)
記事:metasc
ついに2月1日の東京・神奈川入試を迎える前、最後の動画となりました。 受験生の皆さんの努力が実を結び、桜が咲くことを願って、私たちのネクタイも桜色にしてみました。合格への想いを込めて、今日もお話ししていきます!

▼千葉入試
まずは1月20日以降の千葉県の入試についてお話します。
□市川
市川の1月20日入試は・・・
応募者数:昨年よりやや減少
合格者数:若干増加
市川は近年人気が高まり、難易度も上がっていると言われていましたが、受験者数自体はそれほど大きな変動はなく、むしろ少し減った形になっています。
注目されたのは、昨年の大学進学実績で東京大学の合格者数が2桁に達したこと。この影響もあり、都内、つまり千葉県外からの受験生が増えている可能性が高いと考えられます。

なぜかというと、受験者数が減っているのに合格者数が増えていることから・・・
学校側が歩留まりの低下を見越して合格者を多めに出している
と考えられるためです。これは、都内の難関校との併願が増えているという読みとも一致します。
市川の人気や難易度の上昇と、今回の合格者数の動向は矛盾せず、今年も引き続き注目される学校であることがわかります。

□渋谷教育学園幕張
渋谷教育学園幕張では、市川と同様に・・・
応募者数:昨年より減少
合格者数:昨年より増加
昨年は久しぶりに応募者数2,000人を超えましたが、今年はそれを下回る結果となりました。ただし、合格者数は増えており、倍率は3倍近くから2.54倍へとやや緩和されています。

この学校は毎年、合格者数を慎重に調整する傾向がありますが、今年は特に
女子の応募者・合格者の増加
が目立っています。これは、学校側が歩留まりを考慮し、多めに合格者を出した結果かもしれません。また、渋谷教育学園幕張の永井先生がX(旧Twitter)に投稿した受験生や保護者を配慮する、心温まるメッセージが大きな話題となり、Yahoo!ニュースにも取り上げられました。この投稿が受験生や保護者の心を動かし、志望順位の変化につながり、学校側が読んだよりも高い歩留まりになる可能性もあります。

ここ数年、
最難関校との併願が増えた→都内の最難関校に合格した受験生がそちらへ進学する
ケースも考えられます。そのため、学校側が倍率を少し下げ、合格者数を増やした可能性がありそうです。一方で、ここ数年は御三家レベルの学校の合格者でも渋谷教育学園幕張を選ぶ傾向も強まっており、永井先生の投稿がそうした生徒たちの背中を押し、「さらに渋谷教育学園幕張に行きたい」と思わせた可能性も考えられます。
ただ、今回のXの投稿はものすごくよい内容ですが、もともと渋谷教育学園幕張を志望していた受験生は、学校のよさを十分理解したうえで受験しているので、このXの内容はむしろ来年の受験生に影響が出る可能性のほうが高いかもしれません。それにしても、永井先生の温かいメッセージの反響は大きく、ご本人も驚いていたようですね。

□東邦大学付属東邦
12月の結果について以前も紹介しましたが、1月21日に行われた入試では・・・
応募者数:昨年より増加
合格者数:昨年より減少
いう動きが見られました。これは、市川や渋谷教育学園幕張とは対照的で、
千葉県内の受験生が増え合格すればそのまま進学する=歩留まりが高い
と判断したためではないかと思われます。

□昭和学院秀英
東邦大学付属東邦と同じような傾向が見られるのが昭和学院秀英です。
1月20日の午後特別
2科目試験で高倍率→難関校を志望する受験生を集める意図もあると考えられます。
1月22日の第1回
応募者が増加→合格者数が絞られたことで倍率がかなり高くなっています。
この動きからも、千葉県内の受験生が「受かったら進学する」というケースが増えていることが伺えます。市川や渋谷教育学園幕張にチャレンジしたいものの、難易度が上がる中で東邦大学付属東邦や昭和学院秀英を志望校として選ぶ受験生が増えた可能性が高いです。県内の成績上位層が、こうした学校へシフトする動きが強まっているのかもしれません。

□その他
千葉の他の学校については、大きな変化はあまり見られません。

応募者数を増やしている学校としては・・・
和洋国府台女子
芝浦工業大学柏
昭和学院秀英
千葉明徳
などが挙げられます。
千葉明徳、日出学園、八千代松陰は、面倒見の良さが特徴の学校で、和洋国府台女子も同様にサポート体制が充実しています。こうした「面倒見の良い学校」が評価される傾向は、東京の中学受験でも見られますね。さらに・・・
流通経済大学柏は、開校3年目を迎え、新校舎の魅力もあり、人気が継続して上昇中。
麗澤も常磐線沿線で安定した人気を誇り、今年も応募者が増えているようです。

▼千葉まとめ
千葉の状況を整理すると・・・
市川
渋谷教育学園幕張
県外からの受験生が増加している影響で、歩留まりを考慮し合格者数を増やした可能性が高いです。
一方で・・・
東邦大学付属東邦
昭和学院秀英
対照的な動きを見せており、応募者が増えているにもかかわらず、合格者数を絞る対応を取っています。これは、千葉県内の受験生が多く、合格すればそのまま進学する割合が高いと学校側が判断したためかもしれません。

また・・・
芝浦工業大学柏
流通経済大学柏
二松学舎大学柏
といった大学附属校の人気が上昇しており、柏エリアの中学受験の活気が高まっていることが伺えます。大学附属校の人気の高まりに加え、柏というエリア自体が注目されているのも要因の一つでしょう。

ただし、声の教育社の部長によると、「もっと人気があってもよさそうだが、千葉県の中学受験熱は東京ほど高くなく、まだ応募者が伸びる余地があるのでは」との見方もあるようです。今後の動向にも注目ですね。
▼埼玉入試続報
□開智所沢
今年の埼玉入試で特に注目を集めたのは、開智所沢ですね。受験者数が急増し、東京からの受験生もかなり多かったようです。すでに手続きを済ませた受験生が2桁にのぼるようで、中には東京在住で開智所沢を第一志望にしていた受験生もいるようです。
このように1月入試で進学先を決めた受験生は、2月の入試をどうするのか気になるところですね。どこも受けないという選択をするのか、それとも塾の先生と相談しながら東京・神奈川の入試に挑むのか、それぞれの判断になりそうです。塾の先生としては、1月で受験を終わらせるのではなく、2月まで受験を続けてほしいと考えるケースも多いかもしれません。
また、開智所沢と開智の受験者数の増加が、そのまま千葉・東京・神奈川の入試に影響を与えているかというと、現時点ではそこまで大きな影響は感じられません。
ただし・・・
開智所沢の結果が出た直後に城北埼玉の受験者数が急増した点は注目です。
開智所沢の入試はかなり厳しく、合格者数は昨年とほぼ同じか、それどころか減少しているほどです。最後の入試回の倍率は3倍台だったため、極端に高い10倍といった数字にはなりませんでしたが、それでも不合格者数は大幅に増加してしまいました。
倍率も昨年より上昇し、不合格者数が大幅に増えたことを考えると・・・
「開智所沢に受からなかった受験生が城北埼玉に流れた」という見方もできます。
こうした影響が見られたことで、埼玉入試がどのように東京・千葉・神奈川へ波及していくのか、今後の動向がますます気になります。

□立教新座
立教新座では、毎年補欠合格者数だけでなく、補欠合格の候補者数も公式サイトで公表されます。
今年124人
昨年145人
昨年からやや減少しました。

しかし、立教新座の場合、
補欠者数の増減よりも実際にどれだけ繰り上がるか
が重要なポイントです。
一昨年:補欠者数116人のうち全員が繰り上がり、さらに追加合格
昨年:補欠者数145人のうち繰り上がったのはわずか28人

こうした補欠繰り上げの変動はなぜか隔年で大きく変わる傾向があります。
学校側としても、実際にどれだけの受験生が入学手続きをするのかを正確に予測するのは難しいのでしょう。昨年、補欠候補者を145人出したのは、一昨年と同じくらい繰り上げが必要になるかもしれないと想定していたためだと思われます。しかし、結果として繰り上がったのはわずか28人にとどまりました。
今年の補欠者数124人は、昨年145人と一昨年116人のちょうど中間くらい。これが何を意味するのかは、ふたを開けてみないとわかりません。ただ、過去の流れを考えると今年は繰り上げ合格が増える可能性もあります。
とはいえ、明確な根拠があるわけではなく、立教新座の繰り上げ人数は毎年読みにくいのが特徴。受験生や保護者としては、少しでも多くの繰り上げ合格が出ることを願いたいですね。
