声教保護者会2024-2025③ 「あれ?過去問なんでこんな結果に!?」9月の模試&過去問 結果の捉え方で大事なコト
出典:声教チャンネル(声の教育社)
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▼今回のテーマについて
夏期講習が終わった9月、
・今までの塾との勉強のペースが違い
・過去問や模試の結果の捉え方
など、この時期に親子ともに感じるであろう不安についてお話していきます。
▼夏前と後の勉強の違い
夏休み前と夏休みの夏期講習後では、やるべきことや勉強の進め方が大きく変わります。
カリキュラムに沿って単元を学び進める勉強の仕方から、自分の志望校対策に特化した勉強スタイルにシフトするのがこの9月頃です。
大きく言うと、
「総合問題」
つまり出題範囲が定まらない、どんな単元が出るか分からない問題にも取り組む機会が増え、より入試本番に近い形式の問題で実力を養う重要な時期となります。
▼合格判定模試の現実
このように範囲の分からない問題というのは、合格判定模試や過去問ももちろん同じですね。夏の間に声の教育社から多くの学校の過去問が発売され、秋にも続々と登場します。実際、過去問や模試を解くということは、どうしても「結果」が出てきますね。
夏期講習前までは・・・
新しい内容を2~4週間学習し、その後すぐに効果測定を行う「カリキュラムテスト」を受ける流れで勉強を進めてきました。
しかし、今後は・・・
総合問題が増える中で、実際の結果がどう出るかにどうしても目が行ってしまいます。合格判定模試や過去問の結果は、「合格可能性」の判定が出るため、以前のように偏差値や順位だけではなく、はっきりと「受かるかも」と評価されることになります。
今までの模試やカリキュラムテストは偏差値や順位という結果だったのが、これからは合格判定がついてくるので、やはりどうしても気になって、結果に激しく一喜一憂しやすく、大人も子どもも心が揺れ動く時期になってきます。特に、合格判定が思うように出ない、つまり合格圏内に届かないとなると、
・全く勉強が足りていない
・夏期講習でものすごく頑張ったのに、夏の努力が反映されていない
と感じてしまうこともあります。9月は、そうしたモヤモヤを抱えやすい時期といえます。
▼この時期の結果の捉え方
合格判定模試や過去問の結果で一喜一憂しがちなのは、実は保護者の方かもしれませんね。保護者には子どもたちが勉強に費やした時間だけでなく、かけてきたコスト的なサポートもあるので、「あんなに頑張ったのに…」と思ってしまうのも無理はありません。
しかし、9月初めの合格判定模試1回の結果や、最初の過去問演習の結果では、まだ何の指標にもならない、何も測れていないということなのです。
そのため、過去問演習も合格判定模試も、その結果に対しての捉え方をきちんと認識しておくことが大切です。
・過去問演習
過去問演習の結果についてですが、声の教育社の過去問の回答用紙集には、冒頭に「入試結果表」があり、ここに各学校の合格者最低点が掲載されています。
しかし、正直なところ・・・
9月段階でこの点数に届くことはほとんどありません!
特に算数では、第1志望校の問題で正解率が3割程度というケースも多いのです。
過去問演習を第1志望校から始める受験生もいれば、併願する少し安全と思われる学校から手をつける受験生もいるかと思います。いずれにしても社会や理科の過去問では、併願校でさえ予想より得点が伸びないことがしばしばです。いわゆる「抑え校」や「お守り校」とされる学校でも、9月時点で合格最低点に達しないことはよくあることなのです。
・合格判定模試と過去問演習の競争相手の違い
合格判定模試にはさまざまな種類がありますが、過去問のデータとは異なる競争相手と戦っている点が特徴です。
過去問は・・・
1月や2月の入試本番に近い時期に実施された入試結果を基にしているため、ピークを迎えた受験生たちの実力と比較されます。つまり、数ヵ月後の受験生結果と数ヵ月前の現時点での状態での競争となり、現時点での点数が届かないのは当然のことです。
つまり過去問演習は過去の完成形に近い先輩たちとの「実力勝負」です。例えば、合格判定模試で安全校の合格判定が出ているのに、過去問では得点がなかなか取れないこともあります。過去問は、本番で合格ラインに達した完成された受験生たちの結果との比較なので、今の段階では得点が難しいと感じるのも自然です。
一方、合格判定模試は・・・
同じ今度の2月の受験を目指す現在の受験生たちと競い合うものです。母集団が実際の入試に非常に近いため、まさにその場でのライバルとの直接対決となります。
合格判定模試では、現時点でまだ学習途中の「未完成」の受験生同士が同じ問題に挑んでいるため、得点の付き方が異なります。
このように・・・
過去問と合格判定模試では競う相手や得点の基準が異なる
ことを理解し、適切に使い分けて学習を進めていきましょう。結果を受け止める際には、特に保護者の方が「この結果の意味」をあらかじめ理解し、心の準備をしておくことが大切です。
▼次回に向けて
9月の段階で出た結果をもとに、次のステップである・・・
併願校の選定や、受験校の組み立て方について
考える必要があります。次回は、この点について具体的にお話ししていきたいと思います。