声教保護者会2024-2025② 「中学受験生の習い事 いつまで?」
出典:声教チャンネル(声の教育社)
記事:metasc
▼本日のテーマについて
大変ご無沙汰してしまいましたが、本日は今の時期に保護者の皆様が悩まれることについてお話しします。
私たちも塾の室長時代に面談でよく聞かれたのですが、
「習い事っていつまで続けて大丈夫ですか?」
という質問にお答えいたします。
この質問は学年関係なく4年生から6年生の受験期になった保護者の方からもよく聞かれていましたし、夏前のこの時期に聞かれることが多かったように思います。
▼習い事は続けていいのか?
私たちは、
石井:受験勉強があってもできる範囲で習い事は続けても良い
吉村:忙しい生活の方が勉強も効率的になる
という考え方です。
理由は主に2つです。
➀子どものスケジュールが習い事で埋まってしまうのですが、すでにその時間が固定されているので、動かしにくい
・・・これは塾の授業も同じで、決まった時間は簡単には動かせません。ですので、変えられる固定された時間以外の時間をどう使うかが重要です。
②限られた時間で宿題や勉強を効率よくこなすことができるようになる
・・・習い事に時間が取られるので、それ以外の時間の使い方が重要になります。実際、6年生でも複数の習い事を続けている子がいて、そのような子どもたちは時間の使い方が非常に賢いと感じていました。
大人も忙しい時ほど効率的に物事をこなすことがありますよね。それと同じで、子どもたちも習い事があることで時間管理のスキルが磨かれるのです。
実際、私立中学校に進学し、部活動や委員会、さらには文化祭の実行委員などを複数こなしている生徒は、実は勉強も上手くやり遂げていることが多いと感じます。
公立中学校でも、地域のトップレベルの公立高校に進学する生徒も、意外と部活に熱心な生徒が多いですよね。必ずしも関連性があるとはとは言えませんが、
時間をしっかり管理している子は、勉強にもそのスキルが反映されやすい傾向があります。
忙しいのが当たり前になっている方が、効率的に時間を使おうとするものです。
逆に、習い事を減らしても、勉強時間が単純に増えるわけではありません。
実際、自分たちも定期テスト前に部活が休みになると、少しは勉強時間が増えましたが、大幅に増えることはありませんでした。部活の練習時間が3時間減ったとしても、勉強時間はせいぜい1時間増える程度でした。
ですので、ご家庭の状況にもよりますが、学校や習い事など、受験勉強とは別の活動があった方が、気分転換にもなりますし、全体のバランスを取りやすくなるということもあります。
▼辞め時の見極め方
ただし!やはり・・・
6年生の最後まで習い事を続ける時間があるかというと、話がまた変わってきます。
ご家庭ごとにペースは異なると思いますが、6年生の最後まで習い事を続けるのは難しい場合もあります。
物理的にスケジュールが重なってしまった場合、6年生になると受験勉強を優先せざるを得ないこともあるでしょう。お子さんが「受験勉強をする際に、習い事まで手が回らない、勉強に集中したい」と言うならば、習い事を一時中断して受験に専念するのが良いかもしれません。
ただし、ここで要注意なのが・・・
保護者が一方的に「受験勉強に専念しなさい」と言って習い事を取り上げるのは、お子さんにとってプラスにはならない
ということです。本人が納得していないと効果は薄いですから、お子さんとしっかり話し合い、双方が納得できる形で合意することが大切です。
▼保護者が受験直前期まで習い事をやらせたい場合
一方で、保護者の方が、ある時期まで習い事を続けさせたいというケースもありますよね。例えば、「冬休み直前にサッカーの試合やラグビーの試合があるので、それまでは続けさせたい。」というご要望もよくあります。私の教室では特にお父さんからそのような相談を受けることが多かったです。
その場合、塾側が決めることではなく、「それなら、習い事以外の時間をどう使っていくかをお子さんと一緒に考えましょう」という話になります。
例えば、「日曜日に特訓がありますが、試合があるので出られません。補習をしてください」というのは違います。塾の先生が特訓を無料で習い事と重複した日の替わりにやるわけにはいきません。
受験生自身がその授業に出られない替わりに自分でどう勉強するかを考え、先生に相談しなければなりません。「この授業には出られないので、替わりにこういう勉強をしようと思います。どう思いますか?」と自分から相談するのが理想的です。
もちろん、塾講師として「もう習い事を続ける時期ではない。」と感じることも多々あります。その場合は、塾に相談しながら調整するのが良いでしょう。
▼塾のオプション講座
習い事との調整をしていても、塾側から「この授業は必ず出てください。」と言われることもあります。塾には多くのオプション講座がありますが、全部取れば良いというものでもありません。お子さんの必要に応じて、「これは絶対に必要なので出席してください。」と提案することもあります。一方で、自分でできそうな部分は無理にオプション講座を取る必要はありませんので、まるで処方箋のように、一人ひとりに合わせた提案をしていました。
▼まとめ
習い事についてですが、受験勉強に絶対に必要な何かと習い事等のスケジュールが重なった場合、最終的には受験勉強を優先せざるを得ない時が来るかもしれません。
しかし、
・なかなか勉強しないから勉強時間を増やすために習い事をやめる
・中学受験の勉強を始めたら当然習い事をやめる
という考え方が全て正しいとは言い切れません。習い事で行っていることが、学校選びの際に重要な要素になることもあります。
以上が、今回の習い事についての考え方です。