【中学受験】2024年度 総まとめ「結果と繰り上げ情報」※2024年2月16日時点
出典:声教チャンネル(声の教育社)
記事:metasc
▼公立一貫校の状況
2024年入試最後の動画となりますが、私立中学の繰り上げ合格にも影響を及ぼす、公立一貫校の状況についてお話します。
☑埼玉を除く地域では応募者数が全体的に減少
過去問の売り上げ傾向同様になってしまった受験者数の減少は、少し憂慮すべき点です。一部の過去問は売れ残り、廃刊の危機に瀕している可能性もあります。
☑過去8倍から10倍もの高倍率が、今年はは4倍程度に半減
受験生側からすると、高い倍率の試験にチャレンジすることを避けがちになるのはやむを得ないと思います。かつて8倍から10倍もの高倍率が、現在は4倍程度に半減していますが、それでも試験の難易度が下がったとは言えない状況です。

☑合格や繰り上げの状況は例年通り
ですが、まだ動きがあるようです。(2024年2月16日現在)公立一貫校は定員を満たすまで繰り上げを行っており、都立小石川など一部の学校では繰り上げがまだ出ている様子も見られます。また、神奈川の公立一貫校の合格発表後には、神奈川の私立共学校で顕著な動きがあったことも注目されます。

2月10日前後に行われる公立一貫校の合格発表を受け、実際に繰り上げの本格的なシーズンが始まるのはこの時期からです。また、2月11日が私立中学校の学校招集日にあたるため、その日を境にも動きが本格化します。

▼男子校の繰り上げ状況
■開成中学校
開成中学校は繰り上げを出しているようですが、昨年と比較するとその数は明らかに減少しています。
■筑波大学附属駒場中学校
繰り上げを行っている様子が見受けられますが、2月11日以降のデータを見ると、筑波大駒場の方が開成よりも若干多いように感じます。通常、開成よりも偏差値が高く、男子校の最難関校である筑波大駒場からの繰り上げは少ないと考えられがちですが・・・
近年、受験生の価値観が変化、
単に最難関校に合格すればそこに進学するという考え方が変わってきているようです。
例えば、筑波大駒場に合格しても渋谷教育学園幕張への進学を選ぶ受験生や、開成を2月1日に受験してそこに進学を決める受験生がいるなど、選択肢が多様化しています。開成は新しい校舎になったことも魅力の一つです。国立校の附属学校では新校舎を持つことが難しいため、その点でも筑波大駒場の状況に変化が見られます。数年前から学校選びの価値観が変わり始めており、筑波大駒場のようなトップの中のトップクラスの学校においても受験生の選択の変化が見られるようになってきたと思われます。

■駒場東邦中学校
2月10日から12日の3連休前には、繰り上げの動きがほとんど見られなかったのですが、3連休が過ぎた後からは、途切れることなく発生しています。
■海城中学校
男子校の中では今年特に繰り上げの動きが顕著で、盛んさが際立っているように感じます。この海城の繰り上げによる、他校に連鎖する形のドミノ効果や玉突きは、2月16日現在ではそれほど見られません。ただ、本郷に少し動きがあった程度の状況です。
■桐朋中学校
繰り上げが比較的多く発生しているようです。海城と桐朋の両方は実際に合格者数を増やしているにも関わらず、特に2回目以降の試験の手続率が思ったよりも低いことが原因ではないかと思われます。
■浅野中学校
神奈川については浅野が、合格者数を昨年より13名ほど少なく発表していましたが、この3連休を含め、繰り上げの動きが活発でした。浅野は来年から募集人数を削減する方針を発表しており、これが声の教育社のX(旧Twitter)で大きな反響を呼んでいます。

この変更は、浅野を志望する生徒だけでなく、その他の学校を志望する受験生にとっても影響を及ぼす可能性があり、今後詳しく追っていきたいと思います。浅野が繰り上げを行うことによって、例えば逗子開成や鎌倉学園などにも動きが見られ、今はようやく状況が落ち着きつつあるようです。
■立教新座中学校
・第1回入試後に採点ミスによる追加合格46名
・2月16日まで繰り上げ約50名
最近約50人の繰り上げ合格者を出し、以前より話題になっている採点ミスによる追加合格者も含めると、合計で約100人の繰り上げ合格者が出る見込みです。これを受けて、成城が合格者数を若干増やしているように思われます。

■その他の動き
・城北中学校
・高輪中学校
・東京都市大学付属中学校
・学習院中等科
などが動きを見せており、海城からの連鎖反応による玉突きがあるかもしれません。影響は確実にありそうですが、全体的には例年と比べると繰り上げは少なめな傾向にあります。
▼女子校繰り上げ状況
■御三家・難関校
女子学院、桜蔭、雙葉から全く繰り上げのニュースはありません!
その結果、都内の女子校で繰り上げが目立っているのは・・・
・豊島岡女子学園中学校
・洗足学園中学校
・浦和明の星女子中学校
・吉祥女子中学校
これらの学校は、共学校との競合として選ばれているようで、それが影響しているかもしれません。特に、渋谷教育学園渋谷への女子の志願者は非常に多く、繰り上げがほとんどない状況がそれを物語っています。多くの生徒が渋谷教育学園を第一志望としていることが伺えます。
■女子学院中学校
女子学院に関しては、昨年は桜蔭や雙葉と比較して繰り上げが見られました。これは、おそらく慶應中等部など共学の大学附属の難関トップ校に合格した受験生は、女子学院の合格を辞退し、慶應中等部へ進学するケースが毎年存在するためでしょう。しかし、今年はそのような動きが見られませんでした。これは、
☑女子学院を選ぶ受験生が増えた?
☑女子学院自身が定員割れになったとしても、さほど問題はないと判断?
という理由があったのかもしれません。
桜蔭、女子学院、雙葉といった学校では、1クラスに45人から50人近くの生徒が在籍しています。これに対して、現在の小学校でのクラスサイズが35人や40人を下回るケースが多いため、比較的大きなクラスサイズに対して疑問を持つ声もあるようです。しかし、歴史を遡ると女子学院などでは1クラス60人を超える時代もありましたが、優秀な生徒が集まればクラスサイズは問題ではないという実績があります。にもかかわらず、最近では学校側もクラスサイズを40人程度に抑える方向で考えているようです。これは、より充実した教育を提供するために、あえてクラスサイズを小さくすることのメリットを見直しているからかもしれません。時代が変わり、学習スタイルが従来型の一方的な講義型の授業ではなく、グループワークや調査学習へと進化する中で、クラスサイズを絞ることが教育の質を高める上で有効だとの考えが広がっていく可能性があります。この流れを受けて、浅野がクラスサイズの縮小を発表したことは、その一例と言えるでしょう。

■その他の動き
東京の女子校に関しては、現在比較的落ち着いた状況になっているようです。2月の初旬にかけては、
・香蘭女学校中等科
・田園調布学園中等部
・東京女学館中学校
・富士見中学校
・東洋英和女学院中学部
・普連土学園中学校
・山脇学園中学校
などが活発に動いている様子が見られました。
神奈川では横浜雙葉がかなりの繰り上げを発表しており、玉突きで他のいくつかの女子校も同様の動きを見せていました。しかし、ここにきてその動きも一段落し、落ち着きを見せ始めている印象です。

▼共学校繰り上げ状況
■東京
・渋谷教育学園渋谷中学校
大きな変動がないため、これ以上の動きは期待しづらい状態です。
・広尾学園中学校
2月10日からの3連休明けから動き出しており、これが他の共学校にも波及する可能性があります。特に、男子の難関校との関連で変動があるかもしれませんが、慶應中等部の影響はそれほど大きくないようです。慶應中等部は繰り上げを出していますが、その影響が他に及んでいるわけではない様子です。
他に繰り上げ合格を出している学校としては・・・
・青山学院中等部
・國學院大學久我山中学校
・中央大学附属中学校
・法政大学中学校
・淑徳巣鴨中学校
が動きを見せています。
■神奈川
公立一貫校の合格発表後には・・・
・山手学院中学校
・神奈川大学附属中学校
・森村学園中等部
などが活発に動いており、その影響で・・・
・日本大学中学校
・中央大学附属横浜中学校
・法政大学第二中学校
も3連休明けで繰り上げを出しているようです。

■千葉
・市川中学校
・東邦大学付属東邦中学校
この2校のようにまだ動きがある学校が見られます。
■埼玉
・大宮開成中学校
・開智中学校
・開智所沢中等教育学校
2月に入ってからもまだ活動が見られる状況です。これらの学校には東京からの受験生が多く、欠員が出た場合にそれを補う動きが見られる可能性が高いと考えられます。

▼2024年全体の繰り上げ状況
全体的に見ると、繰り上げの動きは例年に比べて少ない傾向にあります。これについては以前も話題に出ましたが、塾の合格実績も全般的に下がっているとの見方もあり、「塾を掛け持ちする生徒が減ったからでは?」という意見もありました。しかし、実際には受験する学校の数自体は増えているものの、それは全体の数字であり、個々の生徒が出願する学校数は減少している可能性があります。
具体的には・・・
受験生が同一の学校に複数回出願するケースが増えており、熱心に受験しても合格が難しいため、合格者数が減少しているのです。
確かに同じ学校への複数回出願は増加傾向にあります。また、極端に厳しいケースは無かったものの、学校側でも受験回数が増えていることから、入試そのものが以前より厳しくなっている場合があると考えられます。

中学受験において、自分に合った、または少し手が届くかどうかの学校を選んで受験する戦略は一般的であり、安全を考えるのは自然なことです。しかし、多くの受験生が同じように安全を求めると、その選択が逆に安全ではなくなる皮肉な状況が生まれます。
今年は特にその傾向が強く、例えば・・・
普連土学園のように、昨年の最終回の試験の倍率は1.4倍であったのが、今年は5.0倍に跳ね上がりました。
このように、みんなが同じ学校を「安全」と見なして志願すると、予想外の高倍率になり、結果的に安全ではなくなるのです。そうした現象が今年は目立ち、多くの受験生にとっては特に厳しい受験戦線だったと言えるでしょう。

▼まとめ
受験を終えられた皆さん、本当にお疲れ様でした!
前回も触れた通り、受験生の「志向」が変わってきています。
具体的には・・・
☑併願校の選び方や受験のアプローチが以前とは異なる
☑価値観の変化に伴い、従来のように偏差値順で御三家や難関校を選ぶパターンから脱却
このようなことが、受験者数の予測を難しくしています。
去年のデータを参考にして妥当だと判断の上、出願したにも関わらず状況が一変し、望まない結果に終わるケースも増えているかもしれません。そうした不本意な入学しかできないという状況に直面しているご家庭が例年より多いかもしれません。しかし、そうした場合でも、早めに気持ちを切り替えて、前向きに次へと進む準備を始めることが大切です。

以前、ある中学校の先生がお話された通り、「選ばれた学校で咲こう」つまり、「どの学校に進学するにせよ、その場で輝くことを目指す」ということです。まずは保護者の方が前向きに切り替えていくことが大切だと改めて思います。先ほども触れましたが、例えば、普連土学園の最終試験倍率が、安全だと思って出願したのに、大きく跳ね上がったという事例があります。多くの受験生が、ほんのわずかな点数差で、昨年なら合格できたはずのレベルに達していたにも関わらず、今年は叶わなかったという状況に直面しています。本当にたまたま、今回の受験の状況に直面してしまっただけで、受験生の努力が足りなかったわけでは決してありません!

中学受験の準備を通じて身につけた力は、多くの受験生が実際に合格点に達していたはずです。
・勉強に励み、懸命に頑張ってきた経験は、合格という形にはならなくても、お子さんにとって計り知れない価値があります。
・成長を目指して始めたその受験で、成長は確実にしているはずです。
・その素晴らしい経験は、今後の彼らの人生において、確固たる自信となるでしょう。
皆さん、これから始まる中学校生活に向けて、どうか頑張ってください。入学を迎えることで、新たなスタートが切られます。終わりではなく、これからが始まりです。本当にお疲れ様でした!

▼今後に向けて
新しい6年生、5年生に向けて心新たに頑張ります。
テレビ出演の予定もありますので、詳細は公式Xでお知らせいたします。よろしければご覧ください。
