【中学受験】2024年度入試「中学過去問出庫状況の前年比較(直前まとめ)」前回160位から10位になった急上昇校はどこ⁈※2023年12月時点
出典:声教チャンネル(声の教育社)
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▼出庫率上位校トップ20位
入試直前版の過去問出庫率の最新情報をお届けします。12月15日時点の動向を見ていきましょう。今回は、全ての学校タイプ(男子校、女子校、共学校、国公立校)を網羅したランキングです。
【出庫率上位校トップ20位】※(カッコカッコ内は11月調査時の順位・数値)
1位 横浜雙葉中学校 130.8%(2位 129.9%)
2位 開智中学校 126.1%(1位 139.4%)
3位 横浜創英中学校 120.7%(3位 119.2%)
4位 埼玉栄中学校 117.4%(15位 107.1%)
5位 普連土学園中学校 116.8%(4位 115.2位)
6位 日本工業大学駒場中学校 114.8%(6位 111.5%)
7位 三輪田学園中学校 114.3%(5位 114.8%)
8位 サレジアン国際学園中学校 112.7%(7位 110.0%)
9位 実践女子学園中学校 111.5%(19位 106.7%)
10位 大宮開成中学校 111.2%(160位 98.3%)
11位 日本学園中学校 110.6%(14位 107.2%)
12位 栄東中学校Ⓐ(A・Ⅰ) 111.2%(160位 98.3%)
13位 学習院女子中等科 108.7%(10位 109.6%)
14位 湘南白百合中学校 108.5%(27位 104.0%)
15位 聖学院中学校 108.3%(139位 99.5%)
16位 足立学園中学校 108.2%(17位 106.9%)
17位 三田国際学園中学校 107.6%(42位 100.8%)
18位 十文字中学校 107.5%(24位 105.1%)
19位 京華女子中学校 106.7%(24位 105.1%)
20位 お茶の水女子大学附属中学校 106.5%(11位 109.3%)
▼出庫率上位校11位~20位
11月時点ではランクインしていなかったのに、今回は上位20位内に入ってきている学校も多いです。

◆京華女子中学校 ◆十文字中学校
女子校が意外と上位にあるというのもなんとなく今年の特徴のようです。受験校として女子校の占拠地が増えていると言えます。国際系を謳っている学校の人気が高まっていますが、共学人気校だとちょっと厳しいかも知れないということで、それに匹敵するレベルや期待値を持つ女子校への関心が移っていることを反映しているようです。

◆湘南白百合中学校
ランキングに新たに名を連ねているのが湘南白百合ですね。以前の27位から14位に急上昇しており、女子校人気の中でも特に上位に位置しています。
◆三田国際学園中学校
急に動きがあり、11月は42位だったのが今回17位に上昇し、過去問は品薄状態になっています。昨年品切れだった人気が継続しており、特に文化祭後の書店での販売が影響している可能性があります。
◆聖学院中学校
聖学院が大きな注目を集めていますね。11月は139位だったのが、驚異的な速さで15位まで上昇しました。出版された過去問集は約260校分あり、これまでの中間地点から大きく飛躍しました。
聖学院の特色として…
・農村でのホームステイやお米作り
・タイの少数民族とのホームステイなど
ユニークな体験が注目されています。一般的に「グローバル」と聞くと欧米を想像しがちですが、聖学院はアジア地域に焦点を当てたグローバル教育を展開しており、その新しいアプローチが人気を呼んでいるようです。


◆栄東中学校Ⓐ(A・Ⅰ)
11月の21位から今回12位へと上昇しています。これらの変動から、受験生の志向や人気傾向に変化が見られるようです。
◆日本学園中学校
日本学園も注目に値します。昨年は品切れ状態なので、在庫があれば実際にはもっと売れた可能性があります。
▼出庫率上位校4位~10位
10位から4位は大きく上昇した学校があります。

◆大宮開成中学校
大宮開成が11月の160位から驚異的な速度で10位に躍進しました。たった1か月で150位以上の上昇は目覚ましい成果です。この現象は他の学校にも共通しており、本番が近づくにつれて併願校や1月の前受け入試として受験される学校の過去問が一気に売れ始める傾向が見られます。

どうしても今年は、
「開智が新しく開校する開智所沢と開智の入試問題が共通であること」
が注目を集めている上に、
「栄東も第一志望としての人気が高まっている」
という状況があるので、そんな中での大宮開成の躍進は注目です。埼玉の中で「御三家」と称されることもある栄東、開智、大宮開成の中で、特に最近大宮開成の急激な伸びが目立っています。これは、埼玉県内の学校間の動向や影響が関係している可能性があります。

◆実践女子学園中学校
実践女子は順調に人気が上昇し続けていて、一時は減少するのではないかという懸念があったものの、今年もその人気は衰えるどころか過去問は品薄状態になっています。昨年の売り切れ状況を考えると、その勢いは依然として強いことが伺えます。
ちょっとここで
・・・過去問発行部数の大事な話
そもそも販売部数が少ない…のです。

本来、過去問の品切れは避けたい事態です。確かに、企業としては売り切れることが好ましいという風潮があるかもしれませんが、教育資料としての重要性を考えると、受験生に必要な資料が供給不足になるのは望ましくありません。2018年の開成の国語試験で出題された「かに弁当問題」は、売り切れと適切な在庫管理のバランスの重要性を示しています。我々もこの点を意識して、適切な在庫管理に努める必要がありますね。

◆三輪田学園中学校
すでに品切れです。勢いがあり、人気が継続していることがうかがえます。

◆埼玉栄中学校
埼玉栄の人気が高まっていますね。以前は…
・栄東を受ける前に合格を取っておきたい受験生
・前受けでの選択肢
として考慮されるケースが多かったですが、最近では埼玉栄も重要な選択肢として台頭してきています。特に初日1月10日の2科目午後入試が注目されており、栄東を午前中に受験した後に、午後に埼玉栄を受験する受験生が増えているようです。佐藤栄グループの学校が人気を集めている状況で、今年から1月10日の午後入試問題を過去問として取り上げ始めたことも、受験生や保護者に評価されている理由の一つかもしれません。

▼出庫率上位校1位~3位
11月以降のトップ3ランキングに変動が見られました。特に注目すべきは、横浜雙葉が第1位に躍り出たことです。これまでトップの位置にいた開智が、品切れの影響でその地位を守ることができず、結果として横浜雙葉が首位に立ちました。同様に、横浜創英も品切れの影響を受けており、それがランキングに影響を与えています。これは出版社として重要な反省点であり、開智や横浜創英が品切れしていなければ、その2校がトップの位置に留まっていた可能性が十分に高いということなのです。

◆横浜創英中学校
横浜創英はここ数年、毎年約20%の増加率を維持しており、その人気の高さは著しいですね。実際に入試を受ける受験生の数も倍以上に増加しています。特に後半の入試日程では、近年の倍率の高さが顕著になっています。

◆開智中学校
開智の場合は、新たに設立された開智所沢の影響も大きいですね。「開智所沢が開智と同じ入試問題を用いる」という方針は、当社の部数計画においても予想外の要因でした。このため、開智の過去問が品切れとなる状況はやむを得ない状況であったと言えるでしょう。
◆横浜雙葉中学校
日程を増やしたことにより、注目を集め1位になりました。

▼今年の出庫傾向
全体的に見ると、昨年の日本学園などが急激に伸びたような現象は見られず、前年比で200%の増加など、特定の学校に受験者が集中するような大幅な上昇は少ないようです。
このことから、
受験生が希望する学校がより分散している
と言えます。
しかし、希望が分散しているとはいえランキングに出てきた学校は、やはり昨年よりもさらに難しくなるかもしれないと考えられます。
今年は、横浜雙葉が最終的に1位になりましたが、全体として過去問の品切れが昨年よりも遅れている印象です。これは、受験生の希望する学校の過去問が比較的容易に手に入る状況が11月くらいまで続いたことを意味しています。出版社としては、重版を行わないために過去問の品切れが生じることは避けられず、それに対しては申し訳なく思います。デジタル版の提供も行いたいのですが、著作権の問題があり進められない状況です。

▼ねらい目になりうる学校
今年の特徴としては、10校のうち半数が国公立校であることです。以前、私立学校と国公立校の過去問の出庫状況について分けてお話しましたが、その際にも国公立校の過去問はそれほど売れ行きが伸びていないという状況をお伝えしました。ただ、11月の出庫率と比較すると、国公立校の過去問も若干の追い上げが見られます。

現在の中学入試の人気傾向としては、私立学校が中心で、国公立校の人気は増加傾向にはないようです。
・国立校には新しい校舎の建設がまずない
・公立一貫校に関しては競争率が高すぎる
という理由により、これらの学校に対する嫌厭傾向があるように見受けられます。

そんな中、公立中高一貫校である「千代田区立九段中等教育学校」は11月の出庫率から大きな伸びを見せています。
◆千代田区立九段中等教育学校
国公立校の中で、特に区立九段が注目を集めています。この学校は、ねらい目としてリストアップされた学校群には含まれていませんが、12月の出庫率が93.8%と、11月の69.6%から大きく増加しています。区立九段を訪れて校長先生のお話を伺った際、千代田区の教育への投資の大きさに感銘を受けました。
特筆すべきは、
「海外のランクの比較的高い大学9校との契約があり、特定の基準を満たせば進学が可能である」ということです。
さらに、それらの大学は英語圏以外の国から進学する学生は1年間の語学研修を受けなければならないのですが、これを区立九段ではオンラインで放課後や夏休みを活用して学習すると、研修を受けたとみなされるという画期的な仕組みをもっています。
これまでの区立校での取り組みとしては珍しいものですが、今後増えていく可能性もあります。特に区立九段は、東京都教育委員会から来た校長先生のリーダーシップのもと、新たな教育取り組みを進めており、その成功が東京都全体に広がる可能性もあると見ています。そのため、区立九段は特に注目に値する学校だと思います。

▼まとめ
これまで過去問の出庫率や出庫数のお話をしてきましたが、次回は1月の入試が始まってから、実際の入試についてのお話になります。

今後の結果速報時には既に、12月1日には千葉での第一志望入試が終了しており、これから1月10日の埼玉、1月20日の千葉の一般入試、2月1日の東京・神奈川、というスケジュールで入試が進行します。そこで受験生の皆さんにはお願いが2つあります。
①どの学校か1校でも合格して欲しいので、適切な併願戦略を立てること
②合格をもらっても進学しないことが決定した学校には辞退の連絡をすること
とても重要なことなのですが、2校以上から合格を得た場合、進学を決定した学校以外へは入学辞退の連絡を速やかに行っていただきたいです。これにより、他の受験生に席を開放することができ、繰り上げ合格を得ることができる受験生が出てくるのです。入学辞退のプロセスは意外と知られていないため、既に手続きを済ませたり、学費を支払ったりしている場合は、辞退することに抵抗を感じるかもしれませんが、ぜひお願いできればと思います。

ついに受験の本番がスタートします。
この時期は体調管理が特に重要です。
今年は特に気温の変動が激しいので、今まで以上に十分留意してください。
6年生の皆さんは、もうすぐ受験本番ですが、あと少しの辛抱です。
最後まで全力で頑張ってほしいと思います!!
