【中学受験】2024年度入試「中学過去問出庫数上位校」過去問が売れてる学校はどこ?※2023年11月時点
出典:声教チャンネル(声の教育社)
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▼出庫数上位校トップ20位
今回は過去問題集の実際の出庫数上位校を見ていきます。20位~1位はこのような学校で、実は昨年度と顔ぶれがあまり変わっていません。
【出庫数上位校トップ20位】※(カッコ)内は昨年度順位
1位 栄東中学校①A・Ⅰ (1位)
2位 市川中学校 (2位)
3位 広尾学園中学校 (3位)
4位 渋谷教育学園幕張中学校 (5位)
5位 東邦大学付属東邦中学校 (7位)
6位 本郷中学校 (4位)
7位 早稲田中学校 (10位)
8位 海城中学校 (8位)
9位 渋谷教育学園渋谷中学校 (9位)
10位 開成中学校 (6位)
11位 芝中学校 (13位)
12位 浅野中学校 (12位)
13位 山脇学園中学校 (20位)
14位 開智中学校 (60位)
15位 茨城県立中学・中等教育学校 (15位)
16位 慶應義塾中等部 (14位)
17位 県立相模原・平塚中等教育学校 (11位)
18位 成城中学校 (21位)
19位 麻布中学校 (19位)
20位 豊島岡女子学園中学校 (17位)
▼出庫数上位校11位~20位
昨年度とあまり変わりがありませんが、新しくランクインした学校が2校あります。
◆開智中学校
開智は予想通りで、伸び率でも1位でした。その理由は単に開智自体の人気ではなく、開智所沢と試験内容が同じで、両方受験が可能なことが大きいでしょう。これは新しい学校ながらも過去問が存在する、初めてのパターンかもしれません。一方で、昨年60位だった開智の順位はやや意外です。前受けとしても受験できる埼玉なのでもう少し売れている気がしていました。同じ埼玉の栄東の人気が高いので、開智や大宮開成も売れているイメージでした。しかし、250校以上のランキングでこれは決して悪い順位ではないでしょう。
◆成城中学校
成城については、昨年は20位には僅かに届かず、21位でした。そのため、今回18位にランクインしたのは、ほんの少しの差と言えるでしょう。全体として、今年の出庫数は、11月15日時点で昨年よりも若干減少している状況です。その結果、実際の出庫数が増えていなくても、他校の減少により順位が上がるというケースが生じているかもしれません。
◆山脇学園
山脇学園はやはり人気がすごいです。出庫率ランキングの際にも山脇学園が人気校であると指摘していましたが、出庫数ランキングでも昨年の20位から今年は13位に上昇しています。これはトップ10入りが間近ということですね。昨年、女子校のトップは豊島岡女子学園で17位でしたが、山脇学園がその豊島岡女子学園を上回り、女子校トップに躍り出ました。これは非常に注目すべき動きです。
◆芝中学校
色んな説明会等で学校名を聞くことが多く、人気を実感しています
◆昨年20位以内で今年ランキング外になった学校
今年新たにランクインした学校が2校あるということは、それに伴ってランキングから外れた学校も存在します
広尾学園小石川中学校→16位から23位
青陵中学校→18位から27位
これは予想された動きで、偏差値の上昇や倍率の増加により、チャレンジ層の受験が減少した可能性があります。今年はより安全志向が顕著になっているように見受けられ、その結果、これらの学校が警戒される傾向にあると言えます。
▼出庫数上位校4位~10位
4位から10位までの顔ぶれは昨年のランクイン校と変更はありませんが、順位の変動が見られます。特に目立った変化はありませんが、順位が上昇したり下降したりした点に注目です。男子校のトップの本郷はあまり変わってないですが、
千葉の2校・・・
広尾学渋谷教育学園幕張中学校
東邦大学付属東邦中学校
が新たにランクアップしました。
◆東邦大学付属東邦中学校
東邦大東邦の12月の結果が出ましたね。注目される第一志望入試では・・・
広尾学受験生の数:572人(昨年)→598人(今年)
倍率:14.3%(昨年)→15.0倍(今年)
とわずかに増加しています。ただし、一昨年は15.8倍だったので、実は最近少し下がっていたことになりますが、それでも15倍という高い倍率です。東邦大東邦に12月初旬に合格を得られるのはとてもいいことです。ほぼ前年と同様ですが、少し増加傾向にある状況と言えるでしょう。
◆全体の過去問出庫率の減少から考えられること
出庫率の減少を前回までにお話しましたが、受験生の数が減る可能性を示唆しているかもしれませんが、一方で、まだ多くの保護者が志望校を決めかねている可能性も考えられます。
12月3日に首都圏模試センターの保護者会で合格資料集の販売を行った際、持参した資料がすぐになくなってしまうほどの需要があったことから、多くの保護者がまだ迷っていると感じます。現場で受けた相談内容を振り返ると、多くの保護者が第一志望校を決めることに迷っているようです。併願校に関して迷うのはよくあるのですが・・・
「2月1日に第一志望校を受験するか、先に安全校を確保するかの判断」
に迷っているケースが多いようです。厳しい状況になっているということをとても感じます。
特に横浜方面、例えば横浜女学院と横浜雙葉が近い地域に位置しており、さらに横浜雙葉が2月2日に入試を実施することの影響は神奈川県内の女子校には波及するかもしれません。地域による入試の影響も大きく、例年とは異なるパターンになっていることが、保護者の迷いに拍車をかけているのかもしれません。
▼出庫数上位校3位~1位
トップ3のランキングは昨年と変わっていません。しかもどの過去問もまだ品切れには至っていません。特に、栄東は昨年を上回り、堂々と第1位の座を獲得しています。栄東と市川は前受け入試として受ける受験生が多いことと、共学校であることが、過去問の売れ行きに大きく貢献していることが明らかです。また、広尾学園が3位にランクインしていますが、今の難度で3位というのは非常に注目すべき点です。
▼受験傾向について
10年程度前には・・・
かつて、早稲田が出庫数ランキングで1位に輝いていたことがありますね。
その後、市川がトップの座を奪い・・・
そして、栄東がその地位になり、それを維持しています。
これは受験生の意識や受験トレンドの変化を反映していると言えるでしょう。早稲田がトップだった頃と比較して、早稲田の現在の受験者数に大きな変化はないかもしれませんが、以前は特に難関校へのチャレンジ思考が強く、その結果トップ校の過去問が次々と売り切れるという状況がありました。
近年は・・・
受験生の保護者たちが、子どもの実力に合わせた学校選びを積極的に行う傾向が強まっています。これは、コロナ禍の影響もあって、以前のように「偏差値40以下は絶対に受けない」という考え方を持つ人が減少していることが一因でしょう。偏差値だけでなく、学校の教育内容やその学校が家庭の教育方針に合致するかどうかを重視する保護者が増えているのです。この傾向は、最近特に顕著になっており、子どもたちにとって最適な教育環境を選ぶという考え方が浸透してきているようです。
▼過去問 品切れ校・品薄校
<品切れ校>
◆三輪田学園中学校
◆ドルトン東京学園中等部
今年は過去問が売り切れている学校は、例年に比べて減少しているようです。三輪田学園とドルトン東京学園の過去問は既に在庫がなく、書店に残っていれば購入できるかもしれないという状況です。
<品薄校>
◆サレジアン国際学園世田谷中学
◆中村中学校
◆横浜創英中学
この3校は品切れが迫っています。特に横浜創英は、最近の首都模試の会場校であり、説明会への参加率が非常に高かったことから、この学校への関心の高さが伺えます。
ただし、横浜創英に関しては、後半の入試日程における偏差値が実際の難易度を反映していない可能性があるようです。つまり、実際はもっと偏差値が高く難易度も高いのに対して塾で公表される偏差値が追いついていない感じがします。そのため合格することがより困難になる可能性があるということです。これは、多くの受験生がこの学校を志望し、競争率が高まることから合格者数が限られてくるためです。その結果、後半日程の入試では、学校側が合格者数を絞る可能性があります。
▼次回にむけて
約10日後には入試直前の出庫率のまとめを提供予定です。最近、学校側から過去問の追加発注の連絡が増えていることから、多くの受験生が第一志望校の決定を遅らせている可能性があるようです。また、第一志望校だけでなく、併願校を選ぶ際にも同様の傾向が見られるかもしれません。 今回は以上です。