声教保護者会2023-2024⑥ 中学受験12~1月 大人の準備
出典:声教チャンネル(声の教育社)
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今回の声教保護者会は…
受験直前の準備の時期に「大人が準備すること」についてお話していきます。
▼大人の準備
受験直前期にさしかかり、これからが一番盛り上がる時です。ぜひ、このワクワクする時期を楽しんで取り組んでほしいと思います。
■12月に大人がやること①
・募集要項の確認
・出願期間、提出書類、試験・発表・手続き日時の確認
12月は長い2学期が終わり、いよいよ冬休みが近づいています。冬休みと言えば、冬期講習の開始も目前です。
そんな中、受験校の選択がいよいよ固まりつつある時期でもあります。特に埼玉や千葉の受験生にとっては、この時期に決定するケースが多いですね。千葉県では、推薦入試的「第一志望入試」の本番が間近に迫っているため、出願準備に取り掛かる必要があります。
募集要項をしっかりと確認し、試験日、結果発表の日、手続きの期限などの重要な日程を把握することが、この時期の受験生にとって必要不可欠です。保護者の方は早めにもう始めた方がよいです。
■12月に大人がやること②
・受験準備や本番のスケジュールを家族で共有する
・すぐに活用できる受験直前期用のガイドブックを用意する
保護者の皆さんも、この時期はそわそわと落ち着かない気持ちになることでしょう。だからこそ、準備すべきことをリストアップして、ひとつひとつ確実にこなしていくことで、安心感を得ることができます。家族で情報を共有し、みんなで確認作業を行うことで、重要なことを見落とすことなく進められます。特に合格発表の時間や入学手続きの期限など、細かなスケジュール管理が必要なこともあるため、例えば公立中高一貫校などは、「発表したその日の夕方までに手続き書類を取りに行かないといけない」という決まりがあります。そのあたりの準備もしっかりと行っていただきたいと思います。これまで感情的になってしまう場面もこの数ヵ月は多かったかもしれませんが、事務的なことを計画的に進めることで、感情の高ぶりをセーブできる時もありますね。
受験直前に備えて、必要な情報が一冊にまとまっているガイドブックがあると非常に便利です。
特におすすめするのは声の教育社から出ている…
「中学入試合格資料集 直前版」です。
この「中学入試合格資料集 直前版」には、今年受験を控えている生徒たちに役立つ最新情報が掲載されています。今年の6年生に限定した内容が記載されており、これほど賞味期限が短い本は珍しいと言えます。
春には「中学受験案内」を参考に、受験校の選択や費用、地図、偏差値の情報を得ていただきたいのですが、これは過去のデータに基づいています。「中学入試合格資料集 直前版」には、「今」必要な情報が満載なので、ぜひチェックしてみてください。また、これに代わるものでよいので、ぱっと見で情報が分かるような資料を手元に置いて準備を進めることをお勧めします。
各学校の細かい情報、例えば提出する写真のサイズなどは、学校のホームページで確認することが大切です。インターネットで調べる方が速いという方も多いでしょうが、ネット環境が限られている場合も考えられるので、その点は注意してください。
■冬休みに入る前にやっておくこと
・調査書の記入を学校の先生にお願いする
・試験日に関わる学校の欠席は早めに先生に伝える
冬休みに入る前の時期、つまりまだ学校が開いているので、学校の先生にお願いしなければならないことがあります。学校によっては、募集要項に沿って、調査書や通知表の提出が求められることがあります。(地域によっては通知表のことを「成長の記録」や「あゆみ」などと呼ぶこともあります。)
この調査書は先生に記入していただく必要があります。作業には相応の時間と労力が必要ですので、冬休み直前になって「先生、お願いします」と言うと、先生も年末にかけて成績をつけるなど忙しいため、対応が難しくなることがあります。ですから、余裕を持って先生にお願いの伝達をしておくことが望ましいでしょう。
埼玉の方は1月10日から、千葉の方は1月20日から、東京や神奈川の方は2月1日からの試験が始まるため、早めに「試験のため休みます」と小学校の先生へ伝えておくと良いでしょう。先生方は理解があるので、配慮をしていただけることが多いです。
■証明写真
受験票に必要な証明写真については、必ずしも写真館で撮影する必要はありません。スマートフォンや家庭用デジタルカメラの画素数も上がっており、綺麗な写真が撮れればそれで十分です。
■体調管理
今年は夏頃からインフルエンザが流行し始めることもありましたが、やはり体調管理が特に重要になります。対策としては、手指の消毒や手洗い、うがい、そしてマスクの着用といった基本的なことです。コロナが流行する前でも12月以降は、塾では教室でのマスク着用が常態化していました。
それでも体調を崩してしまうことはあります。寒さが増して服装も変わるこの時期、もし体調を崩したら、無理をせず一時的に勉強を休むことが最善です。回復を最優先にし、完全な体調で勉強を再開する方が、結果的には効果的です。受験直前では1分1秒を惜しむと言われがちですが、「1分1秒が惜しいからこそ、早く回復しよう」というのが正しいアプローチです。
また、周囲への配慮も必要です。特に咳や喉の痛みがある状態で塾に行くと、本番直前期でピリピリとした受験生の間でトラブルの原因になりかねないので、その点も気をつけましょう。
▼当日の持ち物
■子どもの持ち物
・筆記用具
・受験票
・交通系ICカード
・上着
子どもたちが持っていく主なものとしては、筆記用具・受験票がありますが、受験票の管理は親御さんがしっかりと行うことが大切です。最近ではオンラインでの出願が一般的で、その結果、プリントアウトした受験票は形がほぼ同じなので、見間違えし易いです。ですから、受験票を間違えないよう、保護者の方は注意深く管理していただきたいです。
また、忘れがちですが、交通系ICカードのチャージも忘れずに行う必要があります。当日の慌ただしさの中で不足が発生しないよう、前もって準備をしておくことが肝心です。
■子どもの服装
試験当日は、一枚羽織ることができるアイテムを持参することをおすすめします。試験日には試験室内では脱いでいても、移動時には寒さを感じることがあります。東京や神奈川では2月の試験の際、午前中の試験が終わった後に別の場所へ、長めの距離の移動をすることが多いので、その時には特に温かいものを羽織ることができると良いでしょう。
かつて教室長をしていた時には、普段着る防寒服の上にさらに大きめの上着を羽織り、いつでも脱ぎ着できるようにすることを提案していました。
以前、入試の応援で学校前に立っていた時、2月なのにTシャツと短パンで来る子もいましたが、季節に関係なく本人が最適なパフォーマンスを発揮できる服装であれば問題ありません。ただし、服装で合否が決まることはないですが、もし保護者の方が服装について心配するならば、気にならないような選択をすることをお勧めします。万が一「この服装で落ちたのではないか」と後悔することがないように、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。
■持ち物の準備
鞄への持ち物の準備において、最も避けるべきは子どもだけに任せてしまうことです。必要なものが不足するリスクが高まります。特に男の子の場合、そのリスクがさらに高い傾向があります。 また、保護者だけで準備をするのもよくありません。後で「あれはどこに入れたの?」という混乱を避けるためにも、保護者と子どもが一緒になって、鞄に何をどこに入れるかを確認しながら準備するのが最善です。
▼情報共有の重要性
多くの点で共通して言えることは、親子間で情報の共有をしっかり行うことが大切です。入試スケジュールや訪れる学校の日程、持ち物リスト、そして日常の習慣に至るまで、これから先に起こる様々な事柄について共有を深めておくべきです。塾の先生とも、当然情報を共有することが望ましいです。
もちろん、鞄の中身の詳細まで塾の先生に伝える必要はありませんが、入試日程やその優先順位に関しては、第一志望校、第二志望校などの情報は、塾の先生にも伝えておくと良いでしょう。これによって、塾側も適切な指導やサポートを行うことができます。
▼保護者の心構え
これからの受験シーズンは保護者にとってもストレスが増す時期であり、残りの日々をカウントダウンする中での焦りは避けられません。保護者の皆さんには…
できるだけ落ち着いて、もしくは落ち着いているように見せる努力が求められます
ママ友や近所の方、SNSでつながる方々からの「こうしたほうが良い」という意見やアドバイスは参考になることもありますが、中にはプレッシャーを感じさせるような意見も多く、混乱を招くことがあります。そのため、学校からの公式情報や信頼できる塾の先生からの情報を重視することが大切です。他の子の成功事例も参考になるかもしれませんが、その子にマッチしただけで、それが必ずしも自分の子に合うわけではないため、流されずに自分の子の状況を一番に考えるべきです。精一杯の愛を向けていればよいだけだと思います。
現在は2023年、今回の受験生は日本が大きな危機を経験した直後に生まれた子たちです。保護者のみなさんはこれまでも愛情を持って様々な困難から子供を守ってきました。その強い想いをぜひもう一回蘇らせて欲しいと思います。
準備編「保護者の方」向けは以上です。