【中学受験】2023年度どうだったのか?1月入試編~千葉・埼玉~お試し受験はどうなる?
出典:声教チャンネル(声の教育社)
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【2023年度1月入試 千葉・埼玉 応募者数最多校(前年比)】
- 栄東 13,792人(113.2%)
- 開智 4,584人(101.2%)
- 埼玉栄 4,584人(108.9%)
- 大宮開成 4,491人(101.2%)
- 市川 3,412人(111.9%)
- 東邦大東邦 3,405人(101.0%)
- 専修大学松戸 3,256人(100.2%)
- 星野学園 3,126人(106.1%)
- 浦和実業学園 2,927人(119.9%)
- 獨協埼玉 2,716人(97.7%)
- 渋谷教育学園幕張 2,648人(103.1%)
- 麗澤 2,629人(106.3%)
- 浦和明の星女子 2,322人(98.8%)
- 芝浦工業大学柏 2,292人(91.6%)
- 西武学園文理 2,273人(110.0%)
- 昭和学院秀英 2,267人(101.9%)
- 立教新座 2,043人(98.5%)
- 淑徳与野 2,013人(102.0%)
【2023年度1月入試 千葉・埼玉 高実倍率校】
- 麗澤
- 昭和学院
- 日出学園
- 大宮開成
- 細田学園
- 西武台新座
- 栄東
- 昌平
- 開智
- 東邦大東邦
- 流通経済大柏
- 昭和学院秀英
- 麗澤
- 淑徳与野
- 芝浦工業大学柏
- 渋谷教育学園幕張
- 市川
- 立教新座
- 浦和明の星女子
【2023年度1月入試 千葉・埼玉公立一貫 高実倍率校】
◆千葉
- 県立東葛飾
- 県立千葉
- 市立稲毛国際
◆埼玉
- 市立浦和
- 川口市立
<今回は2023年度入試の振り返り最終回です。千葉・埼玉の1月入試の応募者数や高実倍率校を紹介しながらお試し受験の様子も説明していきます。>
▼応募者数最多校
□栄東
栄東はここにきて、さらに1割以上増えており、ダントツの1位がずっと続いています。 コロナの影響で、第1回の入試が2日間に分けて実施される形に変更され、今年で3年目になります。そして、今回もこの形式が続けられ、現在の5年生が受験する際には再び1回の入試に戻す予定だそうです。栄東の過去問は早くから売れており、それだけ第一志望の受験生が増加している傾向があると言えます。ここ数年入学者数も増えているようで、定員オーバーしそうですが、定員数を絞る予定はないようです。
□埼玉栄
栄東と同じ佐藤栄学園グループに所属していますが、大宮開成よりも受験者数が多いことが多くなっています。この学校はもともと体育が強いと評され、日本相撲界でも埼玉栄出身者が活躍しています。その名前に「栄」が入っている人は、埼玉栄出身者のことが多いようです。相撲だけではなく、様々なスポーツに強いことが定評のある学校ですが、ここ最近は大学合格実績も非常に好調です。
□市川
コロナの影響が収まってきたことにより、市川が増加しました。1都3県のなかで受験者数が1番増加していたのが千葉です。それは、コロナ禍では1月10日から始まる埼玉の入試で万が一コロナ感染したとしても、2月1日の東京・神奈川入試には回復が間に合うのですが、1月20日からの千葉の入試でコロナ感染した場合は感染タイミングによっては回復が間に合わなくなるという危険性があったのです。そのためコロナ禍においては、千葉の学校を受験することを控える傾向にありました。それが今年の入試に関しては、コロナ禍以前の状況に戻ったため、埼玉よりも千葉の受験者数増加率が高いということにつながったのです。
□浦和実業学園
浦和実業の受験者数は2割近く増加しており、増加の主な要因は新校舎の完成かと思われます。また、適正検査に関しても、ここ最近2回実施され県内外から多くの受験生が集まっています。
□芝浦工業大学柏
1割ほど減ってしまいましたが、昨年人気となり、難易度が上がりすぎたことが要因かもしれません。東京の芝浦工業大学附属中学も人気です。なお、今年の場合には流通経済大学柏が開校し、そちらに受験者が集まっていたので、その分の煽りを受けたということも影響しているでしょう。
□西武学園文理
ここ最近1割増加しているようで、これは前受け受験で受けている受験生も含まれていると思われます。ただし、今度の6年生が受験する際には、新たに開智所沢という学校が開校するため、受験者数が減少する可能性も考えられます。 しかし、今年4月から西武学園文理に新しい校長先生が着任され、その方はブラジル出身のマルケス先生という非常にバイタリティに満ちたユニークな教育者です。彼の教育哲学は、非認知能力を重視し、日本の数値化されたもので序列化する評価に疑問を持ち、日本の教育体系を変革しようとするものです。そのため、彼の指導のもとでの学園の進化に注目が集まっており、展開が期待されています。
□淑徳与野
恐らく次回の入試で受験生の数が増加するでしょう。受験の回数が増えるということで、これにより定員も少し増加する可能性があります。新たな医師・薬科コースを導入することで、ますます学校の人気が高まるかもしれません。
▼高実倍率校
□麗澤
千葉・埼玉の入試は東京の共学校のように、10倍を超えているようなとんでもなく大変な入試はあまりありません。それでも麗澤は倍率が高く、特に2科は厳しい入試となっています。
□昭和学院
□日出学園
昭和学院や次の日出学園なども同様に倍率が非常に高くなっています。これらの学校はもともと難易度が高くなく人数もそれほど集まっていないと言える学校でしたが、ここ最近評価が非常に高まっていて、応募者も多く勢いのある学校です。
□大宮開成
大宮開成で特待選抜なのでこのくらいの倍率にはなります。この場合、スライド合格が適用されています。スライド合格が適用されて倍率が1.78倍になるので、それであれば受験してもよいと思います。
□細田学園
細田学園の場合スライド合格はありません。特待や上位コースを受験する場合はスライド合格があるかどうかを確認することはとても大切です。細田学園の場合は「10人を募集している」と言いながら、実際には2、3人しか受験生が合格していません。おそらく学校の合格基準を満たさない場合には合格させないという方針を持っていると思われます。つまり、学校が設定した合格基準をクリアしなければ合格できないため、受験生はその点数を達成しなければなりません。さらに、この学校ではスライド合格もありません。ただし、1月12日の入試になると、10日以降に合格通知を受けながらチャレンジしているケースもあるとは思います。
□西武台新座
応募者数が大幅に増加しており、生徒たちが学校説明会やプレゼンテーションで積極的に学校を紹介していることが、この人気の背景にあるようです。
□栄東
□昌平
□開智
栄東の東大特待で算数1科目入試であれば、当然このくらいの倍率にはなると思います。 昌平のTクラスにしても、開智の算数特待にしてもそうですが、算数1科目入試はそんな簡単には合格できませんし、そしてこれは千葉・埼玉の入試に限った話でもありません。
□東邦大東邦
東邦大東邦も2月入試では20倍超えというすさまじい倍率になってしまいます。12月1日の入試は、千葉特有の第一志望入試であるため14倍は妥当ですが、東邦大東邦を志望する場合、1月入試での受験が必要です。1月で合格できなかった受験生たちが、2月入試に訪れていることは間違いないでしょう。
□流通経済大柏
流通経済大柏はまだ1年目の学校です。12月の第一志望入試でかなり合格を出し、その後の手続率が思った以上に高かったようです。そのため定員となってしまい、2月入試では合格を出すことができず、やむなく1名合格となったようです。来年は第一志望入試の定員を少し減らし、2月入試は合格者数が増える可能性があるかもしれません。
□昭和学院秀英
昭和学院秀英は2月2日に倍率が15倍となるなど、東邦大東邦と同様の動きを見せています。
□淑徳与野
淑徳与野については、後からの繰り上げ合格者も考慮に入れると、倍率はそれほど高くないようですが、表面的にはこのような高い倍率になっています。
□浦和明の星女子
浦和明の星に関しても4.42倍という倍率が示されていますが、おそらくこれにも繰り上げ合格者が含まれています。2回入試を受けている受験生に対して優先的に繰り上げ合格を出している可能性があると思われます。
千葉・埼玉の2月入試は…
ランキングされているのは、人気校や難関校ばかりですが、それにしても簡単ではありません。 埼玉に関しては2月入試を実施していない学校が結構あります。
▼高実倍率校…公立一貫
□千葉県
県立東葛飾…10倍近い倍率です。高校受験でも人気となっています。
市立稲毛国際…国際の名前を付けて、高校募集もいずれやめるということです。中等教育学校にもなり、その分また人気があがるでしょう。
□埼玉県
千葉県に比べると倍率は低いですが、それでも人気があります。
▼2023年度 千葉・埼玉の状況
・応募者(受験希望者)の増加
応募者数は増加傾向にあります。例えば、栄東などの学校では第一志望者が増えています。これまで東京の受験生はあくまでもお試しとして受験していたのが、通える範囲に住んでいる地域の受験生にとっては「受かったら行く」というような学校に変わってきています。
・高実倍率になりがちな入試も
特に算数1科や後半日程、2月入試が高い倍率となっています。2月入試を実施できる学校が限られているので、希望者が集中するということも影響しています。一方で、千葉・埼玉全体が人気となっているのではなく、東京から通える範囲にある学校が人数を増やしています。
▼2024年度入試に向けて
次年度以降について、これまで述べてきたことは大きく変わらない部分があります。
1月入試については、通うつもりはないが、「合格」をもらって弾みをつけたいと思う受験生も多いと思います。しかし、その思いが強い一方で、予想通りに結果が出ない場合もあります。
受験生は小学生なので、色々なアクシデントがあります。
体調不良
問題が合わなかった
このようなことで不合格になった場合は「同じ学校の入試を受け続ける」という選択もありますが、その場合さらに倍率が上がってしまい、ますます合格しづらくなります。深追いすることにより、精神的に辛い状況になってしまう可能性もあるので、慎重な判断が必要になります。
【1月入試で合格するためにやること】
1.深追いしない
…同じ学校にこだわることでさらに高倍率になり合格しづらくなる。精神的に辛い状況のまま2月本番を迎えることに。立ち直れない可能性も。
2.受験回数を最初から決めておく
…合・不合に関わらず回数に制限をつけて受験する。結果がどうあれ、そこで気持ちが切り替わることも。その後の立て直しが重要。
3.エリアを広げて確実な合格をもらう
…お試しで確実な「合格」をもらうために、遠くて便の悪い学校やもう少し倍率の低い学校を受験する。首都圏外の学校の首都圏会場入試を利用するのもよい。
受験生や保護者は、受験の目的や状況に応じて戦略を考える必要があります。「合格」の2文字は嬉しく、安心感もあります。それで油断してはいけませんが、2月本番のやる気にもつながります。したがって合格のために全ての場面で同じ戦略を取る必要はなく、臨機応変に方法を検討することが重要です。お試し受験についての詳細は、今後の動画で説明する予定ですのでご参考にしてください。
▼今後の予定
声教チャンネル
石井・吉村の声教保護者会
首都圏模試センター受験会場での保護者会(変更になることもあり)
10/1:三谷:東京成徳大中/後藤:鶴見大附中
11/3:三谷:十文字中/後藤:八雲学園中
学校によりますが、首都圏模試センター保護者会はお子さんの受験会場でなくともご参加いただけます。
また、11月3日の文化の日に、大井町の阪急アワーズで「大井町から教育を考える会(OKK)」という地元の塾による教育についての集まりがあります。教育講演会と合同相談会ですが、このイベントで中学受験や高校受験の説明を行います。中学受験の説明は16時ころからになりますが、このイベントに参加すると先着40名様に声の教育社の過去問集をプレゼントいたします。
今回は以上になります。