【中学受験】2023年度どうだったのか?2023年度どうだったのか?2月入試~共学校編②高倍率校~
出典:声教チャンネル(声の教育社)
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2023年度入試 共学校 高実倍率校】
- 芝国際
- かえつ有明
- 開智日本橋学園
- 明治大八王子
- ドルトン東京学園
- 広尾学園
- 広尾学園小石川
- 桜丘
- 青陵
- 日本工大駒場
- 神奈川大附
- 関東学院
- 横浜創英
- 東邦大東邦
- 昭和学院秀英
- 流経大柏
- 麗澤
- 渋谷教育渋谷
- 新渡戸文化
…安田学園、駒込、淑徳巣鴨
▼高実倍率校
2023年度入試、共学校の高実倍率校を解説したいと思います。
□芝国際
芝国際の倍率は全て10倍を超えています。来年受験する際は、国際を受験する前に他の学校で合格をもらっておくことが必要です。2月1日や2日の試験日に高い倍率が出てしまっていますが、来年度の状況はどうなるか注目です
応募者数が1,000人以上減少する可能性や、ひょっとすると半分程度になる可能性も考えられます。コースに関してもシンプルに変わる予定です。
□かえつ有明
かえつ有明は人気ですね。特待入試の人数が大幅に増加しています。この結果の括弧の中はスライド合格者の数ですが、スライド合格者を入れると結果が一桁違ってきますが、それでも高倍率です。2月2日の午後の2科で特待入試の場合、46人受験して合格者は0人です。2科で特待入試の場合は相当高い点数を取らなければなりません。おそらく、特待入試の場合、上位から合格を出すのではなく、基準を超えた場合だけ合格を出すという方法をとっていると思います。
□開智日本橋学園
2科受験に関して非常に高い倍率になっています。4科受験した場合でも、まず国算の2科で合格判定が行われ、その後4科での再判定が可能となります。したがって、4科受験をすることのほうが2度チャンスがあり有利になります。
□明治大八王子
B方式において総合型の問題が出題され、どうしても高い倍率となりがちです。さらに、2月5日の午後に行われるため、念のため受けておこうという受験生も多いでしょう。
□ドルトン東京学園
今年から、ドルトン東京学園の過去問題集が発売されました。非常に好調で大変売れています。売れ行きが良いということは、入試が難しくなる傾向があるのかというと、すでに難しくなっています。ドルトン東京学園の場合、特に特待生や理数特待生など、非常に優れた生徒が多く集まっており、競争が激化しています。
渋谷教育学園渋谷や渋谷教育学園幕張、広尾を受験するようなレベルの受験生が午後入試や特待、後半日程を受けにきています。国際系の最上位校の受験生がドルトン東京学園に流れてきている傾向にあります。見た目の倍率も10倍以上になっていますが、その倍率以上に入試が難しくなっていると思います。
□広尾学園
都内では渋谷教育学園渋谷とも競り合う学校で、競争が激しい状況です。特に、国際コースのインターナショナルSGやインターナショナルAGは国際コースです。AG(アドバンスドコース)は英語に特に優れた受験生が多いのにも関わらず、100人近く受験しても合格者はわずか10人ほどです。そのため、倍率は9.5倍にも達することがあり、非常に競争が激しいことが伺えます。
2月5日の本科試験の509人は、最難関校を受験したような受験生たちが後半の日程に回ってくるため、倍率が8倍以上になっています。昔は順心女子学園であり、現在の状況とは全く結びつきません。地の利があるから人気になったと考える人もいますが、昔は都立の学校の立て直しをする有名な人が手掛けても、何をやっても受験生が集まらなかった時期があったのです。
□広尾学園小石川
受験生の数は以前より1,000人以上減少しましたが、高倍率は維持されています。特に国際コースは非常に人気があるようです。広尾学園と同様の傾向が見られます。両方を考えている受験生も多いでしょうし、そう考えるとこの2つの学校だけでも多くの受験生が集まっていることがわかります。
□桜丘
この学校は3年間の特待生制度を実施しており、中学1年生から3年生までの間特待生としてサポートを受けることができます。その後高校に関しては、国の「就学支援金制度」を利用できますね。
<桜丘が人気になっている理由>
①進学実績がよく、大学合格率が高いこと
②学校側の積極的な広報活動
コロナ前からコロナ後にかけて学校に訪れる機会をたくさん提供したりと工夫を凝らしています。この学校の高校入試基準は非常に厳しくて、城北エリアでは一番難しくなっています。
③面倒見のよさ
これはもともとこの学校の売りで、魅力を感じる受験生がたくさんいるようです。
④企業とのコラボなどSDGS関連の積極的な取り組みを行っている
桜丘は企業とコラボレーションして生徒たちがピーナッツバターを作って販売するという取り組みを行っています。また、SDGSに関連するプロジェクトにも取り組んでおり、積極的な取り組みが評価されているようです。
⑤高校入試において、生徒たちが情報発信をおこなっている
高校入試においても、生徒たちが広報委員会や広報部を作り、外向けの情報発信を行っています。このような取り組みが、学校の魅力を広める一因となっています。
□青陵
青陵も強い学校ですね。最近ではテレビに頻繁に登場しています。青田校長先生が就任してから、コロナの影響を受けつつも多くの改革を実施し、積極的に発信しているようです。
□日本工大駒場
2科目で17倍の倍率が出るなんて本当に驚きですね。倍率が高すぎるので2月7日の入試はやめるそうです。
以前は、後半日程まで合格が出なかった受験生の中の救いとなる学校でした。もともと受験生に寄り添う学校で、塾の先生方からも高い評価を受けていました。2月7日に受験する受験生の中でも、69人のうち、4人しか合格できなかったことからすると、もっとたくさん合格を出したくても、2月7日の入試までに、予想外に入学手続き者が多かったのでしょう。
□関東学院
2月5日の午後に入試を行ったことにより、倍率が2桁に達しています。新校長の森田先生のおかげで注目度が高まっています。学校説明会も校長でありながら、部活やカリキュラムの説明をすべて行うところが印象的で、学校に対する熱意が伝わってきます。
□東邦大東邦
□昭和学院秀英
東邦大東邦や昭和学院秀英など、千葉の2月入試でも20倍や15倍という高倍率になってしまいます。 埼玉の2月入試と同様に、千葉の2月入試もとても厳しい状況になるので、ここを受験する際には他の学校で合格をもらってからチャレンジするということが鉄則です。
□流経大柏
流経大柏は新しい学校で1年目入試でした。12月1日に実施された千葉特有の第一志望入試で定員を大きく上回る合格者を出していました。そのため、2月入試では定員枠が残っておらず、20人が受験し1人しか合格しないという厳しい状況になってしまいました。おそらく来年はこのようにはならないでしょう。
□新渡戸文化
新渡戸文化が倍率7.5倍という試験があることに私も最初は驚きました。この学校は、声教から過去問題集も出ていないし、あまり過去にご縁が無かったのですが、とても魅力のある学校です。
都立両国中学校からアクティブラーニングを積極的に導入していた教師たちが、何人も新渡戸文化に着任しています。毎週水曜日など、自分で学習のスケジュールを決める日があるそうで、この学校では非常に独自なアプローチが取られています。実際に見学するととてもおもしろい学校だと思いました。 過去には穴場の学校として受験生におすすめすることもありました。2月3日、4日の午後が7.5倍となると安易におすすめもできませんね。ただし、第一志望として、初日から受験する際にはここまでの高倍率にはならないはずです。
□安田学園
□駒込
□淑徳巣鴨
今回は個別には取り上げていませんが、試験回によっては高倍率になります。
▼全体のまとめ
■新タイプ校は人気集中が続く
国際教育に力を入れているような新しいタイプの学校は、倍率が非常に高いですし、今後も続く感じがします。あまりにも倍率が高すぎると受験生や保護者から嫌厭されるかもしれませんが、過去問の売り上げを見る限り、現時点での人気は変わらないように思われます。
■確実に合格できる学校を探し、前半日程で合格をもらっておく
なぜか・・・
①特待入試
②後半日程
③午後日程
④2科入試
は非常に倍率が高くなるからです。
男子校・女子校と同じように、受験において早い段階で受かる可能性の高い学校を見つけ、合格をもらっておくことが鉄則です。特に特待入試や2科目入試のセットや、後半日程・午後日程は非常に倍率が高くなります。偏差値が足りているからという理由で安易に選ぶと非常に危険です。特に共学校は男子校・女子校と比べられないくらい高倍率になっており、10倍超えている学校が多すぎます。もう少し試験回数を減らしたら…?と思ったりもします。試験回数を減らすとチャンスが減るのでは…?と思われそうですが、その分、一回の試験あたりの定員が増えます。
▼入試結果を見て思うこと
共学校の場合、女子の倍率が高い傾向があります。今回男女別倍率は出していませんが、後半日程になると、男子受験者がまだ残っているため、男子の方が倍率が厳しくなっています。女子は女子校という選択肢が多いので、早めに合格をもらっているようです。中学受験生全体として男子の方が受験人数が多く、その割には選べる学校が女子に比べて少ないという現実があります。そのため男子は後半日程まで残ってしまっていることがあるようです。ただし、女子校を受験しない場合であれば、女子も男子と同じような状況にはなるでしょう。
国際の学校は試験回数が多いため、全ての試験を受けたいと考えると、受験生にとって負担となる可能性があります。そのため、敢えて1回は他の学校を受験して合格を確保することも併願作戦としては考えるべきだと思います。
▼2024年度入試に向けて
7月の模擬試験は少し人数が減りました。9年連続して中学受験者数が増加していますが、10年連続ということはこれまでなかったので、来年は横ばい…かなあというところです。
中学受験の受験者数自体は過去10年で1万人増加しています。私立中学の定員は1万席増加していないので、それだけ受験も厳しさを増しているということが言えます。しかし、この受験者の増加により、これまで注目されなかった学校の人気が上昇しているという良い一面もあります。
▼次回にむけて
次回は…
「1月入試について」お話していきたいと思います。